『モルガヌグのトライアド』
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「伝承上におけるブリタニア王の一覧」の記事における「『モルガヌグのトライアド』」の解説
詳細は「en:Hu Gadarn」を参照 近代に入ってウェールズ出身の古代学者ヨロ・モルガヌグはウェールズ人、それも南ウェールズ人にとって独自の神話を作り上げようとした。彼は古代ウェールズの住民が残したとされる神話『ウェールズのトライアド』の失われた断片を古代史家ウィリアム・オーウェンの助けを得て出版したが、実際には殆どがモルガヌグ本人による偽書であった。今日では『モルガヌグのトライアド』と呼ばれる同著は他のブリテン島における神話の中で最も時系列上で早い時期に位置する神話となっており、「農の王(Hu Gadarn)」と呼ばれる王の存在が主張されている。 『モルガヌグのトライアド』によれば「紀元前1788年、現在コンスタンティノープルと呼ばれている土地から、その王はブリテン島にたどり着いた。その時、土地には未だ誰も住んではいなかった」と記されている。王はブリタニア島を住めるようにする為に土地を耕し、豊かな作物を実らせた事から「農の王」と呼ばれたという。それから「農の王」の末裔がその土地を治めたが、やがてノアの大洪水によって国は滅んで僅かに二人の人間のみが生き残ったと記録されている。ケルト研究家のエドワード・デイビスは『ケルトの起源』『古代ブリテン』などで『モルガヌグのトライアド』を自らの説で使用した。 「 "古代のブリタニアはノアの大洪水で一度滅ぼされ、二人の人間のみが生き残ったという" 」 またヘンリー・ホワースなど19世紀の神学者は廃れつつあったキリスト教の普遍史観を擁護する為、積極的に『モルガヌグのトライアド』を援用した。
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