『チラム・バラムの予言』でのカンヘル
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「カンヘル」の記事における「『チラム・バラムの予言』でのカンヘル」の解説
カンヘルは、マヤ族の最高神官であったチラム・バラムが語った予言を記録した文書『チラム・バラムの予言』に登場する。 マヤ神話を伝える『チラム・バラムの予言』でのカンヘルの名称は、まず天地創造の伝説に現れる。天界の神々である〈13の神〉オシュラフン・ティクが、冥界の神々(ボロン・ティク(スペイン語版))である〈9の神〉に捕らえられて暴力的な仕打ちを受けた上に「カンヘル(竜)の標章」を奪われたと語られている。ここでのカンヘルについて、研究者のロイズは、神や神官が保有する、蛇の頭をした竜を形取った権棒であろうと考えている。 『チラム・バラムの予言』の別の箇所では、カンヘルは、神が星を創造した際に出現した風の竜だとされている。彼らは「赤いパワフトゥン」「白いパワフトゥン」「黒いパワフトゥン」「黄色いパワフトゥン」と呼ばれた。神が姿を見せた時には、カンヘル竜の権棒を携えたほかに、これら4頭のカンヘル竜を伴っていたとされる。 カンヘル竜の中にセルピヌス (Cerpinus ) と呼ばれるカンヘルがおり、まだ天地が存在しなかった頃にはその掌の上で天使らへの洗礼を行ったとされる。
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