「監査の品質」と品質管理の意義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 09:55 UTC 版)
「監査に関する品質管理基準」の記事における「「監査の品質」と品質管理の意義」の解説
公認会計士による財務諸表監査は、企業等の財務諸表について適正か不適正かの意見を表明し、財務諸表の信頼性を高める保証業務である。監査論研究者の町田祥弘によれば、こうした監査業務は無形サービスであり、また監査業務利用者・受益者から業務内容を把握しづらいため、その品質の評価は困難をともなう。そのため、監査業務の品質とは、監査報告書における意見表明が正しかったかどうかのみを意味するという。 一方、同じく監査論研究者の八田進二は、これに加えて、意見形成のための適切なプロセスの実施、およびそのための組織体制等の維持なども監査業務の品質の要素に含まれると述べる。これらの要素が客観的に確保されていなければ、たとえ監査の結果が誤りでなかったとしても、財務諸表監査の社会的信頼が十分に維持されないためである。 監査の品質管理とは、「監査事務所及び専門要員が職業的専門家としての基準及び適用される法令等を遵守すること、及び、監査事務所又は監査責任者が状況に応じた適切な監査報告書を発行すること」に関する管理であるとされる。この品質管理は、監査事務所全体の品質管理と個別の監査業務の品質管理の二つの面から行われるものである。そして、品質管理とは、監査事務所における「内部統制」にあたるものであるとされる。
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