「熱心党」について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 04:05 UTC 版)
「熱心党のシモン」の記事における「「熱心党」について」の解説
ギリシア語原文の彼についての該当箇所は難解である。熱心党のシモンに言及した最古の史料は『マルコによる福音書』であり、その他、彼に関する新約文書の言及箇所は、この福音書を写したものである。マルコ福音書の該当箇所は、「熱心者 (καναναιος)のシモン」と記されている。これを写した『マタイによる福音書』も全体の文体を変えてはいるが、「熱心者」という呼称をそのまま用いている。この語は「熱心党員(ζηλωτης)」を指す一般的なものではなく、実際に何を指しているのかは不明である。ローマに反抗していた「熱心党」を指すとも考えられるが、律法(トーラー)に熱心な者を意味しているとも考えられる。 一方、『ルカによる福音書』は、マタイと同じく、マルコを写しながらも、この語を「熱心党員」と置き換えている。しかし、ルカ文書(『ルカ福音書』と『使徒行伝』)は、このシモンに関しては、全て『マルコ福音書』の記述を写しているため、ルカに従ってただちにシモンを熱心党員と考えることはできない。 ちなみに、日本聖書協会の訳(口語訳、新共同訳等)は、これらをすべて「熱心党」で統一している。外典の中には、明らかに後世の創作であるが、幾つか熱心党のシモンについて記述しているものがある。
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