「デザインできない」という立場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/07 15:22 UTC 版)
「ユーザーエクスペリエンス」の記事における「「デザインできない」という立場」の解説
黒須正明によれば、デザイナーはユーザーエクスペリエンスそのものに関わることはできない。言い換えれば、ユーザーエクスペリエンスそのものをデザインすることはできない。 それはなぜかといえば、ユーザーエクスペリエンスに影響する3要素(状況、ユーザー、システム)のうち、デザイナーが設計できるのはシステムに限られるからである。状況とユーザーはデザイナーがコントロールできない。デザイナーは、ユーザーのありようをコントロールできないし、ユーザーの利用状況も(多少はできても、決定的には)コントロールしきれないからである。 デザイナーにできることは、ユーザーエクスペリエンスに影響する要素のうちの1つである「システム」(人工物)を、意図的に設計することだけである。例えば、システム特性としてのユーザビリティを高めるようにユーザーインターフェイスを設計することで、ユーザーエクスペリエンスが向上するだろうと期待することはできる。 しかし、どれだけ注意深く設計されたシステムでも、よいユーザーエクスペリエンスを約束することはできない。デザイナーの想定外のユーザーや、想定外の利用状況においては、よかれと意図された設計が裏目に出ることもあるからである。〔※ユーザーの多様性とアクセシビリティを参照のこと〕
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