「カレーの旅行者」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 21:19 UTC 版)
「モーリス・アレ」の記事における「「カレーの旅行者」」の解説
モーリス・アレは、「旅行者一人をカレーからパリ行きの列車で運ぶ時いくらかかると言えるか」という問題を考えた。車掌にとって一人分の追加リソースは現実的に算出可能でないだろうし、ほとんど何も言えないと回答したくなるだろう(限界費用ゼロ) 列車長はもう少し計算可能である。仮に60人の旅行者を同様に輸送する時、列車を一両追加で連結する必要がある。したがって輸送期間中に一両追加する費用の1/60を請求すると回答できる 路線の管理者はそのように言わない。車両は無制限に追加できるわけではなく、20両を超えたら便数を増発する必要がある。したがって前項の一両の1/60の費用に加えて、エンジンの費用と運転手の給料の1/1200を請求すると回答できる 路線の代表者はこれらのいずれにも賛同しない。複数の便を同一の路線で安全に運用することは不可能であり、路線の増設には一日あたり50便の増発がなければ応じられない。したがって(輸送時間に関係なく)路線費用の1/120000がさらに追加される モーリス・アレはこのような一連の概算によって、鉄道会社が行き詰まらないようなチケットの最低価格に到達できることを示した。この理屈は「カレーの旅行者」という隠喩的な名前で知られている。
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