MZ-2500 MZ-2500の概要

MZ-2500

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/11/05 09:48 UTC 版)

概要

  • クリーン設計
    従来機種と同じく、本体にはシステムプログラム自体は持たない。但し、旧来の機種がIPLのみしか内蔵していなかったのに対し、高機能化したハードウェアを制御するプログラムがIOCSとして内蔵されており、何度かの改修が行われている。
    そのファンクションの一つには特定の位置をコールできる物があるため、機能を基準にコールせずに、ROM内のモジュールアドレスを指定し、直接呼んでしてしまうアプリケーションについては非互換の要素をはらんでいる。
  • 2種類のBASICを添付
    従来のMZユーザが馴染んだ命令セットのBASIC-S25と既に当時のBASIC環境としては覇権を握りつつあった、マイクロソフト系の命令セットを持つBASIC-M25が用意された。
    従来機種、並びに、同社別部署別シリーズで採用されたHu-BASICでは無く、別実装のBASICになった。
  • CPUクロックの向上
    Z80Aを搭載し、ノーウェイト、4MHzで動作していた旧機種に対し、MZ-2500では、Z80Bを搭載し一部を除きM1サイクル時に1ウェイト掛かる6MHz動作となった。
  • メモリ管理の強化
    旧機種が、テキスト、グラフィックスVRAMとのウィンドウを開くため、特定のアドレスをバンク切り換えで他の空間と割り当てていただけなのに対し、本機では、MB-S1等と同じく、メモリコントローラを搭載し、8分割したメモリ空間に対し、8KB単位で任意の空間を割り当てられるように設計された。
    この事により、メインメモリを256KB、グラフィックスVRAMを128KB管理できるようになったほか、自由な割り当てが可能になったことにより、他の機種と同じような配置でビデオメモリをマッピングすることでソフトウェアの移植についてもしやすくなっていた。
    設計上のアドレス空間は512KB。この空間に各種のROM並びに、RAMが配置される。
  • アルゴキーの搭載
    上記のメモリマッピングの自由度、容量の増大により、BASICにはアルゴ機能と呼ばれる機能が追加された。
    シリーズのシンボルマークであるアルゴー船のマークが付いたキーが用意され、そこには内蔵されたアプリケーションを呼び出す機能が割り当てられている。
    尚、本来のマークであるアルゴー船は「Argo」が正しいが、ユーティリティー中でのスペルは、「Algorithm」から来た「Algo」の表記になっている。
    常駐プログラムに近く、ロードされたプログラムとは別に、キー操作によって標準では電卓などを起動することが可能であった。
  • CRTCの大幅な強化
    従来機種では、ALU一つ持たずプレーンごとにメモリ空間にマッピングされたVRAMにCPUが直接書き込む仕様だった表示周りが、同機では大幅に強化された。
    発色数は320x200モードで256色、最大640x400モードで16色の出力に対応している。仕様としては規定されていないが、カスタムチップの設計仕様から、増設ビデオメモリを搭載する事で、320x400の解像度で出力することも可能である。
    また、複数プレーンに対し、同時書き込みがサポートされた事により、プレーンを跨いだ色でも高速な描画か可能になっている。
    パレットボードは設計上後から追加された形跡があり、16色の出力時に高速なメモリを利用して回路に割り込む形でパレットとして4096色中、指定の値を出力するように設計されている。また、その実装から、存在をソフトウェア側から判別することができない。
    それらに加え、PCGを持つことによって、外字の定義、並びに、ゲームにおける背景の合成処理の軽減が行えるようになった。
    以上の表示機能に加え、テキスト画面は縦方向のスムーススクロール。グラフィックス画面は縦、横方向へのスムーススクロールをサポートしている。
    但し、256色モードはパックドピクセルではなく、プレーンが重なった形の並びになっているため、表示は兎も角、何かを動かすのには不向きであった。
    この時代にありながら、サイクルスチールなどの仕掛けが無いため、グラフィックVRAMへのアクセス速度そのものは速いとはいえない。
    また、グラフィックVRAM上でのプログラムの実行は保証されず、リードモデファイライト時には、2Wait入っている。
  • 漢字テキストVRAMの搭載。
    既にPC-9800シリーズや、X1turboでは実装されているため本機が初ではないが、漢字テキストVRAMが搭載されており、表示コードを書き込むのみでJIS第二次水準までのフォントが表示可能である。漢字ROMからフォントイメージをグラフィックとして転送するよりも遥かに処理は軽く、8ビット機でありながら、同価格帯の機種よりも快適な日本語の取り扱いを実現した。
  • データレコーダの搭載
    従来機種と同様、ソフトウェア制御可能なデータレコーダが添付されている。
    ヘッド自体はステレオになっており、片側のチャンネルをデータレコーダ、もう片方を音声トラックとして利用可能であった。
    時代は既にフロッピーベースのソフトウェア供給に移行しており、実際には幾つかのソフトウェアが録音された音声を再生する機器として利用した程度にしか活用はされていない。
    また、後述のとおり、留守番電話として利用した場合、その音声の録音に利用することが可能であった。
    基本的には旧機種との互換のための搭載であり、MZ-80B/2000モードが無くなった廉価版であるMZ-2520では削除された。
  • 通信を意識した設計
    時代的に「パソコン通信」ではあるものの、シリアルポートの標準装備、並びに、専用モデムフォンが発売され、ターミナルソフトが標準で添付されている。
    専用機器の組み合わせにより、内蔵データレコーダを留守番電話に利用することが可能になっていた。

ハードウェア

  • 大幅な機能の追加が行われた本機では、旧機種のサポートは、モードスイッチによって行われる。[1]
  • MZ-2000/2200では、MZ-80Bに対して非互換な部分が存在したが、MZ-2500では、MZ-80Bモードを用意することで、系列の旧機種全ての資産を使えるようになった。
  • また、80B、2000モードを6MHzで動作させるモードが隠し機能として存在しているが、CPU速度が直接作用する音の再生、データレコーダの扱いについては非互換である。
  • MZ-80Bはグリーンディスプレイを搭載しているが、80Bモードでは、画面は白黒で描画される。
  • 周辺機器も従来機種と同じものが引き続き利用できるが、16ビットボードは、その物理的な形状の違いと設計から利用できない。
  • 3.5インチFDDは縦幅の大きなものであり。動作音も比較的大きめである。
  • 外観は直方体の本体に、カールコードで接続するキーボードという構成になり、MZ-2520以外は、フロントパネルにカンガルーポケットが用意され、起動時の解像度モード、MZ-2000/80Bモードの切り換えスイッチと、音量用のスライドボリューム、IPL、RESETボタンを配している。
  • ジョイスティックはアタリ社仕様、マウスはMZ-5500や、Xシリーズと互換のものである。
  • FDDの制御は、旧機種の実装を踏襲しているため、割り込みを禁止して、ソフトウェアで転送を行う必要から、BGMをとめずにアクセスするなどの処理はできないようになっている。

モデルは、以下の4種類が発売されている。 初期モデルとして以下の2機種が発売された。

  • MZ-2511 内蔵FDDが1台の機種。標準価格168,000円。
  • MZ-2521 内蔵FDDが2台の機種。標準価格198,000円。

その後、モデルチェンジとして、SuperMZ V2の名でマイナーチェンジが行われた。

  • MZ-2531 MZ-2521にオプションであった辞書ROM、増設メインメモリを取り込み、テレビコントロールの追加を行った機種。標準価格199,800円。

更に廉価版として下記の機種が発売されている。後継機であるMZ-2861のデザインはこの機種のものを踏襲した。

  • MZ-2520 MZ-2521の仕様から、データレコーダ、旧機種の互換モードの削除。標準価格159,800円。

仕様

  • CPU:Z80B 6MHz/4MHz[2]
  • RAM:
    • メイン 128KB標準 オプションにより、256KB迄増設が可能。
    • GVRAM:64KB搭載。128KBまで増設可能。
    • CGRAM:14KB Text-VRAM及び、PCG(Programmable Character Generator)搭載。
  • ROM:
    • IPL/IOCS 32KB
    • TELENET 16KB ボイスコミュニケーションインターフェース(MZ-1E26)添付(オプション)
    • 漢字フォントROM 256KB - JIS第一水準、第二水準
    • 辞書ROM 256KB(オプション) - ワープロ専用機 書院と同様の仮名漢字変換用辞書を内蔵。
    • パレットボード装着時(オプション)4096色中16色表示可能。
  • 音源:YAMAHA YM2203 1基内蔵。(FM音源3ch+SSG音源3ch、各8オクターブ+ノイズ1Ch)
    BEEPも存在するが、Z80によって直接制御する必要があるため、併用は困難である。また、オプションのボイスボードにより、音声も発声可能。
  • FDD
    • MZ-2520/2521/2531は3.5インチ2DDを2台内蔵
    • MZ-2511は1台のみ内蔵。
  • ボイスレコーダ
    • ボタン操作およびソフトコントロール可能・電磁メカ
    • 2トラック独立ヘッド アナログ記録・再生可能
    • データ転送方式:シャープPWM方式 データ転送速度:2000ビット/秒
  • 電源:AC100V 50/60Hz 消費電力50W
  • 使用環境:温度10℃-35℃、湿度20%-80%(非結露)
  • 外形寸法
    • 本体:幅350×奥行345×高さ128(mm)
    • キーボード:幅410×奥行196×高さ38(mm)
  • 重量
    • 本体:Model20(MZ-2511) 7.9kg
    • 本体:Model30(MZ-2521) 8.6kg
    • キーボード:1.4kg
  • 表示能力
    • テキスト
      80行×25行/20行/12行 カラー 8色
      40行×25行/20行/12行 カラー最大(64色)
    • グラフィック VRAM 128KB時
      640×400(4色)1画面
      640×200(16色)1画面
      320×200(16色)2画面
      320×200(256色)1画面
    • グラフィック VRAM 256KB時
      640×400(16色)1画面
      640×200(16色)2画面
      320×200(16色)4画面
      320×200(256色)2画面に加え、仕様外の
      320×400(256色)1画面

搭載インタフェース

  • プリンターセントロニクス規格準拠SHARP仕様25ピンD-Subコネクタ×1ポート。
  • シリアルポートRS-232C準拠25ピンD-Sub×1ポート。
  • 外部FDD端子 SHARP仕様37ピンD-Sub×1ポート。
  • ジョイスティック:ATARI仕様9ピンD-Sub×2ポート。
  • マウス:SHARP仕様8ピンミニDINプラグ×1ポート。
  • キーボード:独自仕様独自コネクタ×1ポート。
  • CRT:カラー8ピンD-Sub×1ポート、モノクロ8ピンD-sub×1ポート。
  • ディスプレイテレビ制御端子:SHARP規格8ピンDIN×1ポート。
  • 拡張スロット×2(オプション)。
  • ボイスボード用内部コネクタ。

その他

  • MZ-2500共通
    • キーボードは従来の配置から変更され、カーソルキーが横一列から、矢印の向きに配置されるようになった。位置はテンキーの上で、キーが密集した場所になっているが、他のキーよりも背が高くなって判別できるようになっている。
  • MZ-2511/2521/2531
    • カンガルーポケットのボリューム、ボタン類は、経年劣化で接触不良が起きがちである。
  • MZ-2531(Super MZ V2)
    • MZ-2521(初期モデル)に増設VRAM、辞書ROMと、テレビコントロールの回路を組み込んだものである。
    • テレビコントロール回路は、辞書ROMの場所に配置され、基板のレイアウトは若干変更されている。
    • 外観はフロントパネルのFDDの位置に3本線が引かれ、イジェクトボタンの色が濃くなっている他、天板のMZ-2500と書かれた印刷が無くなった。
    • 同梱ソフトBASICがV2になった。
  • MZ-2520
    • 仕様としてはMZ-2521(初期モデル)相当だが、外観上の相違点として、フロントのカンガルーポケットは無くなり、パネルにつけられたボタンに変更されたほか、FDDが薄型になった。また、MZ-2000/80Bモード、データレコーダ、RS-232Cポートがひとつ、増設FDDのコネクタが削除され、FDDの端子の削除に伴い、内蔵FDDとのドライブno.の入れ替えなどの回路も削除された。それによって、一部のソフトウェアでは起動しないなどの非互換部分もある。また、パレットボードが非対応となった。
    • キーボードのコネクタについても、MZ-2861とも、MZ-25x1とも異なる形状になっており、信号は同じものの、物理的に交換することができない。
  • 特定のキーを押しながらIPLを起動させることで、細かな指定を行える。
    • 公式(オーナーズマニュアル、MZ-2511/2521同梱)
      • /キー:I/O空間に配置されたROMよりプログラムをロード、実行する。
      • Eキー:内蔵FDDを(FD3、FD4)、外部FDDを(FD1、FD2)に交換する
      • Rキー:RS-232Cボーレート(2000,80Bモード時、19200bpsから150bpsまで指定できる。押さない場合は自動的に9600bps)
      • Cキー:カセットデッキから強制的に起動させる(MZ-2500モードでも)
      • 1キー:FD1から強制的に起動させる。
      • 2キー:FD2から強制的に起動させる。
      • 3キー:FD3から強制的に起動させる。
      • 4キー:FD4から強制的に起動させる。
    • 非公式(MZ-2511/2521発売当時の情報)[3]以降の機種は一部の機能が削られている。
      • Bキー:メインRAMとグラフィックRAM(46ブロック)のテスト(RAM-check)を行う。ブロック毎に判定結果(No/Good)を表示する。
      • Gキー:グラフィックRAMをクリアしない(黒で塗りつぶさない)。ハードウェアの構造上、全画素を完全に保持する保証はない。
      • Xキー:MZ-80Bモード (モードスイッチはMZ-2500の位置)
      • Zキー:MZ-2000モード (モードスイッチはMZ-2500の位置)

  1. ^ 詳細設定を行う場合は、特定のキーを押しながらIPLを起動させることで、RS-232Cボーレート、起動ドライブ、内蔵と外付FDD交換、特殊ボードからの起動を指定する
  2. ^ 互換モードでは4MHzで動作するが、Z若しくはXキーを押しながらIPLボタンを押すこと、旧機種各のモードが6MHzで起動する。
  3. ^ スーパーMZ活用研究260ページBASIC-M25の隠し命令4


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