鯖江市図書館
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特色
特設コーナー
郷土資料は2016年時点で約17,000冊を所蔵している[3]。江戸時代の浄瑠璃・歌舞伎作者である近松門左衛門は越前国出身であり、2歳から15歳頃までを吉江藩(現・鯖江市吉江町)で過ごした[3]。郷土資料コーナー手前には、近松の著作、伝記、研究書、浄瑠璃の関係書などを集めた近松門左衛門コーナーがあり、2016年時点で約290冊を所蔵している[3]。
ビジネス支援コーナーには、2016年時点で図書約1,900冊、DVD148点を所蔵している[4]。鯖江市の地場産業である眼鏡の特設コーナーもあり、関係する書籍やパンフレットを収集している[4]。
学校支援・児童支援
1993年(平成5年)8月には河和田公民館内に、地域ボランティアが運営する「かわだ文庫」が設置された[5]。2006年(平成18年)6月には朝の読書運動用の図書を学校図書館に配送する「ちかもん文庫」の運用を開始した[5]。小学校低学年用は1セットあたり100冊、中学年用は80冊、高学年用は100冊、中学校用は200冊を用意し、申請を行った学校に1学期につき1セットを貸し出している[6]。これによって、各学校は図書の購入費を抑えながら多種類の図書を児童生徒に提供できるようになった[6]。2010年(平成22年)4月には「かわだ文庫」が「子どもの読書活動優秀実践団体」に選ばれて文部科学大臣賞を受賞した[2]。
2010年度と2011年度には緊急雇用創出事業を活用し、学校2校あたり1人の学校図書館支援員を配置した[6]。2011年(平成23年)4月には住民生活に光をふりそそぐ交付金を活用して、学校図書館支援センターを設置[6]。学校図書館の利用方法の説明、調べ学習に使える本の紹介と貸出、新刊の登録やラベル貼り、特設展示や飾り付けなどの学校図書館支援を行っている[7]。これらの施策の結果、2009年度(平成21年度)の小学校への図書貸出冊数は87,278冊だったが、2011年度には小学校への図書貸出冊数が183,855冊と飛躍的に増加した[6]。2013年(平成25年)4月には鯖江市図書館が「子どもの読書活動優秀実践図書館」に選ばれて文部科学大臣賞を受賞した[8]。2013年10月の第15回図書館総合展では、牧野百男鯖江市長が「首長が語る地方行政の現状と図書館への期待」で図書館の取組みを紹介した[6]。
さばえライブラリーカフェ
欧米で1990年代に始まったサイエンスカフェをモデルとし[9]、2005年(平成17年)2月には「さばえライブラリーカフェ」の取組みを開始した[5]。鯖江市図書館とさばえ図書館友の会が共同で企画しており、様々な分野の専門家を招いて講演や交流を行っている[9]。地元在住の先進・伝統技術の専門家、郷土史家、医師などが講師となり、毎回50人ほどの参加者がある[9]。
2013年(平成25年)6月22日には100回目を開催したが、1回目以降の9年間で開催しなかった月はないという[9]。10月には『さばえライブラリーカフェ100回記念誌』を刊行[2]。2014年に開催された第100回全国図書館大会では、さばえ図書館友の会が日本図書館協会から感謝状を授与された[2]。2015年(平成27年)にはさばえ図書館友の会が鯖江市民文化賞を受賞した[2]。
オープンデータ化の取り組み
鯖江市は市を挙げて「ITのまちづくり」を推進しており、公共情報のオープンデータ化に取り組んでいる[10]。この取り組みの中で2014年(平成26年)7月には、鯖江市役所JK課が考案した図書館空席情報アプリ「sabota」の運用を開始した[11][10][2]。「sabota」は個人用机の空席状況の案内、本の検索、本が返却可能な施設の案内などの機能を有している[11]。
図書館の蔵書検索サイトを運営するカーリルは、屋内位置情報を活用した図書館サービスの導入に取り組んでいる。2014年(平成26年)9月のCode4Lib JAPANカンファレンス2014の際には、カーリルが提供したiBeaconを図書館内に試験的に設置した[2]。2016年(平成28年)1月6日には全国の公共図書館として初めて、スマートフォン用の館内案内アプリ「さばとマップ」の運用を開始した[12][2][13]。「さばとマップ」は分類別に並んでいない本(特設コーナーなど)にも対応している[14]。
- ^ a b c d e f g 年報 平成27年度 2016, p. 3.
- ^ a b c d e f g h i j k l m 年報 平成27年度 2016, p. 7.
- ^ a b c 年報 平成27年度 2016, p. 28.
- ^ a b 年報 平成27年度 2016, p. 29.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 年報 平成27年度 2016, p. 6.
- ^ a b c d e f 学校図書館の充実へ 地方行政のあり方 行政をあげて図書館運営 教育家庭新聞, 2013年11月18日
- ^ 「学校図書館の今(4)人・蔵書 公立図書館が協力」読売新聞, 2016年10月26日
- ^ 「子どもの読書活動優秀実践校・図書館・団体(個人)の文部科学大臣表彰」読売新聞, 2013年4月26日
- ^ a b c d 「図書館カフェ100回 鯖江、毎月地元の専門家招く 市民ボランティアが支え」朝日新聞, 2013年6月20日
- ^ a b 竹内邦子 鯖江市図書館の取組:図書検索アプリ「さばとマップ」など カレント・アウェアネス, 2016年4月14日
- ^ a b 「鯖江市役所JK課」の図書館アプリ、Sabotaが公開 カレント・アウェアネス, 2014年7月14日
- ^ 「図書館の本、スマホで探す、鯖江市がアプリ、書棚の位置表示」日本経済新聞, 2016年1月7日
- ^ 館内案内アプリ「さばとマップ」を公開しました カーリル, 2016年1月7日
- ^ 「図書館蔵書 案内アプリ 棚の場所らくらく検索 鯖江市運用」読売新聞, 2016年1月13日
- ^ a b c d 「鯖江市図書館」『中部建築賞 20周年記念表彰作品集』中部建築賞評議会, 1989年, p.155
- ^ a b c d 近代日本図書館の歩み 1992.
- ^ a b c 「開館間近な鯖江市立図書館」『福井県図書館協会報 お泉水』, 9号, 1979年, p. 4
- ^ 『中部建築賞 20周年記念表彰作品集』中部建築賞協議会、1989年
- ^ 鯖江市民活動センター設置は、教育委員会で NPO WEB, 2001年7月13日
- ^ a b c d e f 木野, 小川 & 2002-03, p. 26.
- ^ a b c 鯖江市文化の館(図書館) 一級建築士事務所 ヤオ設計
- ^ a b c 年報 平成27年度 2016, p. 4.
- ^ a b c d e f 谷崎香寿美「豊かな情報の森を目指して」『福井県図書館協会報 お泉水』, 28号, 1998年, p. 2
- ^ 「貸し出し本の郵送返却OK 県内初、来月3日から 鯖江市図書館」毎日新聞, 2003年1月21日
- ^ 「図書館利用、ぐんと便利 ゆうパックで借りた本返却 鯖江市」朝日新聞, 2003年1月24日
- ^ a b 「越前市中央図書館」『福井県図書館協会報 お泉水』, 43号, 2013年, p. 2
- ^ a b c 「鯖江市図書館、優秀賞に NPO表彰、先駆性の高さ評価」朝日新聞, 2014年11月8日
- ^ a b Library of the Year 2014 知的資源イニシアティブ
- ^ a b 「読書難しい人へ点字・音声21万件 鯖江市図書館」朝日新聞, 2016年2月29日
- ^ 作品紹介: 文化・教育・スポーツ施設 協同組合福井県建築設計監理協会
- ^ 木野, 小川 & 2002-03, p. 27.
- ^ a b 木野, 小川 & 2002-03, p. 28.
- ^ a b 「図書館カフェ オープン JR鯖江駅2階、空きスペース活用 スイーツも魅力」毎日新聞, 2015年1月10日
- ^ えきライブラリー tetote テトテ(鯖江市日の出町)図書館+カフェ+ライブ fu+
- ^ 障がい者の力で生まれる賑わいの「駅ナカ」スポット、鯖江市でプレオープン 障がい者雇用インフォメーションニュース, 2014年12月23日
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