赤い糸 (小説) 評価・批評

赤い糸 (小説)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/08 09:15 UTC 版)

評価・批評

著述家本田透によると、本作の正編だけを読めば「赤い糸」を免罪符として刹那的に恋愛経験を重ねる少女の物語として一定の評価が可能だが、続編(『赤い糸 destiny』)まで読み進めると、「最後には真実の愛を見出して終わる」というケータイ小説の王道パターンを反復しており独自性はないといわざるをえないとしている[4]

速水健朗によれば、ケータイ小説全般に歌手の浜崎あゆみの歌詞の影響がみられると論じているが、その例の一つとして、本作の題名の由来である「運命の赤い糸」は、「赤い糸なんて信じてなかった」で始まる浜崎の曲「trust」によってケータイ世代に広く知られるようになった概念であり、また本作のストーリー自体もこの曲の歌詞をなぞっているのだと述べている[5]。さらに、ケータイ小説においてデートDVが頻繁に描かれているという議論の際にも、本作においてたかチャンが芽衣に対して行う厳しい束縛がデートDVの典型例であるとして引用している[6]

漫画

ゴマブックスより発売。柏屋コッコの作画によるコミカライズ。

  • コミック赤い糸(出版社倒産で続刊なし)
  1. 2008年11月1日、ISBN 978-4-77-719075-1
  2. 2008年11月1日、ISBN 978-4-77-719076-8
  3. 2008年11月29日、ISBN 978-4-77-719077-5
  4. 2009年1月30日、ISBN 978-4-77-719078-2
  5. 2009年3月30日、ISBN 978-4-77-719097-3
  6. 2009年5月29日、ISBN 978-4-77-719105-5

映画・テレビドラマ

赤い糸
ジャンル テレビドラマ
出演者 南沢奈央
溝端淳平
製作
制作 フジテレビジョン
放送
放送国・地域 日本
放送期間2008年12月6日 - 2009年2月28日
放送時間土曜日23:10 - 23:55
放送枠土曜ドラマ (フジテレビ)
放送分45分
番組公式サイト

特記事項:
年末進行年末年始の為12月、1月放送分の休止あり。
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赤い糸
監督 村上正典共同テレビ
脚本 渡辺千穂
出演者 南沢奈央
溝端淳平
主題歌 HY366日
撮影 伊藤清一
北山善弘
配給 松竹
公開 2008年12月20日
製作国 日本
言語 日本語
興行収入 11.5億円[7]
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2008年4月フジテレビがテレビドラマ化と映画化を企画し同時期にそれぞれ放送、公開された。撮影は2008年7月から2009年2月まで行われ、ドラマは2008年12月6日からフジテレビ系の土曜ドラマ枠で放送、映画は2008年12月20日に公開された。 映画の配給は松竹で、監督は共同テレビ村上正典が務めた。以前にフジテレビと松竹は「パ★テ★オ」(1992年)で第1、2弾を単発のドラマで話を展開していき、ラストは映画で締めるというメディアミックス展開をしているが、今回はドラマと映画のキャスト・スタッフは全く同じで、ドラマと映画を並行して物語を展開していき、真のラストは連続ドラマの後半9~11話で締めるという展開が行なわれた。キャッチフレーズは「純愛はキレイゴトじゃない。」。なお、原作の過激さからストーリーはかなり変更されている。

キャスト

ゲスト

ドラマ サブタイトル

各話 放送日 サブタイトル 脚本 演出 視聴率
第1話 2008年12月6日 貴方に出会うために恋をする 半澤律子 村上正典 7.5%
第2話 2008年12月13日 孤独を癒やすチョコレート 8.4%
第3話 2008年12月20日 出会っていた二人 渡辺千穂 7.8%
第4話 2009年1月10日 長崎の空に 10.0%
第5話 2009年1月17日 効かないクスリ 川村泰祐 10.8%
第6話 2009年1月24日 途切れた糸 8.0%
第7話 2009年1月31日 新しい恋の始まり 8.4%
第8話 2009年2月7日 赤い糸 村上正典 8.0%
第9話 2009年2月14日 366日 8.9%
第10話 2009年2月21日 大人になれない子供たち 川村泰祐 7.0%
最終話 2009年2月28日 それでもいいと思える恋 村上正典 8.9%
平均視聴率 8.5% (視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ)

スタッフ

テレビドラマ版

  • 脚本:渡辺千穂半澤律子
  • 音楽:菅野祐悟
  • プロデューサー:関谷正征、種田義彦(フジテレビ)、森安彩(共同テレビ)
  • 演出:村上正典(共同テレビ)、川村泰祐(フジテレビ)
  • 制作:フジテレビ、共同テレビ

映画版

テーマソング

主題歌
挿入歌

映像ソフト

テレビドラマ
  • 赤い糸DVD-BOX(2009年7月15日発売)
映画
  • 赤い糸スペシャルエディション(2009年5月29日発売)
  • 赤い糸スタンダードエディション(2009年5月29日発売)
フジテレビ系列 土曜ドラマ
前番組 番組名 次番組
Room Of King
(2008.10.4 - 2008.11.29)
赤い糸
(2008.12.6 - 2009.2.28)
チャンス!〜彼女が成功した理由〜
(2009.3.7 - 2009.3.14)
※「docomoドラマスペシャル」として放送

  1. ^ ゴマブックスが民事再生を申請”. ITmedia. 2009年9月7日閲覧。
  2. ^ 杉浦由美子 『ケータイ小説のリアル』 中央公論新社、2008年、24頁。ISBN 978-4121502797
  3. ^ 石原千秋 『ケータイ小説は文学か』 筑摩書房、2008年、22頁。ISBN 978-4480687852
  4. ^ 本田透 『なぜケータイ小説は売れるのか』 ソフトバンククリエイティブ、2008年、148-150頁。ISBN 978-4797344028
  5. ^ 速水健朗 『ケータイ小説的。――“再ヤンキー化”時代の少女たち』 原書房、2008年、26-31頁。ISBN 978-4562041633
  6. ^ 『ケータイ小説的。――“再ヤンキー化”時代の少女たち』177-183頁。
  7. ^ 2009年度興収10億円以上番組(日本映画製作者連盟 2010年1月発表)


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