螺鈿 螺鈿の概要

螺鈿

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/06/08 14:39 UTC 版)

使用される貝は、ヤコウガイ(夜光貝)、シロチョウガイ(白蝶貝)、クロチョウガイ(黒蝶貝)、カワシンジュガイ(青貝)、アワビアコヤガイなどが使われる。はめ込んだ後の貝片に更に彫刻を施す場合もある。

螺鈿の歴史

日本では、螺鈿は奈良時代から輸入され、琥珀鼈甲と組み合わせて楽器などの装飾に使用された。古い遺品としては正倉院宝物として伝来する螺鈿紫檀五絃琵琶、螺鈿紫檀阮咸(げんかん)などがある。平安時代になると、螺鈿の技術は急速に向上し、漆芸の装飾技法として蒔絵との併用が盛んに行われた。鎌倉時代になると螺鈿はの装飾として人気を博し、室町時代になると中国の高価な螺鈿細工の影響を強く受けた。

安土桃山時代にはヨーロッパとの貿易によって螺鈿産業は急成長した。この頃は螺鈿と蒔絵の技術を使って、輸出用にヨーロッパ風の品物(例えば箪笥やコーヒーカップなど)が多く作られた。これらの品物はヨーロッパでは一つのステータス・シンボルとなる高級品として非常に人気があった。日本ではこの頃の輸出用の漆器を南蛮漆器と呼んでいる。

江戸時代になっても螺鈿は引き続き人気を博したものの、鎖国政策によってヨーロッパとの貿易は大幅に縮小されたため、螺鈿職人は必然的に日本向けの商品に集中することとなった。江戸時代の螺鈿職人としては生島藤七、青貝長兵衛、杣田光正・杣田光明兄弟などが名高い。

現在の日本では奈良漆器によく行われており、代表的な作家に北村昭斎樽井禧酔がいる。

螺鈿の技法

嵌入法
漆塗りを施した表面を彫り込み、その模様に合わせて切り出した貝片をはめ込み、さらに上からを塗ってからで研ぎ出し、ツヤが出るまで磨く。
付着法
木地固めをした上に貝片を漆で接着し、その貝の厚さに近い高さまでサビ(生漆に砥粉を混ぜたもの)を塗り、中塗り、上塗りを施して、貝をとぎ出す。貝の表面の漆を小刀ではがす工程を行う場合もある。

螺鈿の種類

使用する貝の厚みによって厚貝・薄貝の区別がある。

薄貝は貝を薬品で煮て薄くはがしたもので、厚みは0.2mmほどである。見映えを良くするため、裏に胡粉などを施すことが多い。

厚貝は貝を研磨して切り出したもので、厚みは1.5mmから2mmほどである。薄貝に比べて貝の輝きが美しいが、製造工程上、面積の大きい材料を得ることが困難である。

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