浅草寺 文化財

浅草寺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/26 14:18 UTC 版)

文化財

国宝

  • 法華経(開結共)10巻 - 昭和26年(1951年)指定。平安時代11世紀頃の装飾経。別名「浅草寺経」。金銀泥で装飾した「装飾経」の代表作で『法華経』8巻に開結経の『無量義経』『観普賢経』を含む全10巻が完存し表紙、軸、巻き紐まで含めて制作当初のままに残されている。東京国立博物館寄託

重要文化財

  • 二天門
  • 浅草寺伝法院 6棟[25]
    • 客殿 附:扁額1面
    • 玄関
    • 大書院 附:襖8本、下地桟8組
    • 小書院
    • 新書院
    • 台所
  • 大蔵経(元版)5428巻 - 中国・元時代(明治初期、鶴岡八幡宮より伝来)

名勝(国指定)

  • 伝法院庭園

その他、江戸時代の絵馬が多数保存されており、中には谷文晁菊池容斎鈴木其一歌川国芳狩野一信柴田是真のような著名絵師の作品もある[26][27][28]

浅草寺の発掘

考古学上の遺跡としての浅草寺

古代から中世・近世(江戸時代)と長い歴史を有す浅草寺は、考古学上重要な歴史資料をその地下に包含した浅草寺遺跡[29]でもある。戦災で焼失した五重塔再建に先立ち昭和45年(1970年)には再建地点の発掘調査が行われ、学術的に貴重な成果が得られた。特にこの調査は葛飾区葛西城跡の発掘調査や千代田区都立一橋高校内の発掘調査と並び、それまでの日本考古学では研究対象とされていなかった中世や近世(江戸時代)の遺跡調査の嚆矢となり特に近世考古学の出発点となる学史上の記念碑的調査となった。その後も台東区教育委員会による浅草寺境内及び周辺での発掘調査が地道に続けられ、従来の文献資料研究が描いてきた浅草寺及び浅草の歴史像の大幅な修正を迫る発見が相次いでいる。

関連文献

  • 加藤晋平「浅草寺私考」(『物質文化』18号、1971年)
  • 小俣悟「台東区の遺跡」(『武蔵野』74巻2号、1996年)
  • 小俣悟「加藤先生と台東区の発掘調査」(『ツンドラから熱帯まで:加藤晋平先生古稀記念考古学論集』2001年)227〜228頁。
  • 小俣悟「浅草寺(浅草寺遺跡)」(『東京の中世瓦』第7回中世瓦研究会資料集、中世瓦研究会、2000年)。
  • 台東区教育委員会・台東区文化財調査会による浅草寺境内及び周辺地での発掘調査報告書
    • 台東区文化財調査会編1994『浅草松清町遺跡調査報告書』
    • 台東区文化財調査会編1999『浅草寺西遺跡』 台東区埋蔵文化財発掘調査報告書第6集。
    • 台東区文化財調査会編2001『浅草寺遺跡:浅草寺病院地点』台東区埋蔵文化財発掘調査報告書13集。
    • 台東区文化財調査会編2002『雷門遺跡』台東区埋蔵文化財発掘調査報告書18集。

浅草寺のライトアップ

浅草寺のライトアップ

浅草寺では、江戸開府400年記念事業として『輝く21世紀の浅草』をスローガンに、2003年10月から本堂・五重塔・宝蔵門・雷門のライトアップを始めた。ライトアップのデザインを手がけたのは、東京タワーレインボーブリッジも担当した石井幹子。また、2010年からは二天門が赤・青・紫と色が変化するようにLEDでライトアップされるようになった。ライトアップ時間は、毎日日没から午後11時まで。夜は本堂の扉は閉められているが、参拝はできるようにされている。日本夜景遺産指定の地域遺産。

ギャラリー


注釈

  1. ^ 概ね6位前後を推移している。
  2. ^ 『東京近郊仏像めぐり』(学研、2009)では裏観音、不動、愛染の3体とも制作年代は不明とする
  3. ^ 辻区史編さん委員会編「鋳物師の郷・辻の歴史」(1999)によれば、太田近江大掾藤原正次は「釜六」とも称す江戸幕府御用を務めた鋳物師の名跡。釜六初期の梵鐘は都内に3口あり浅草寺の他には豪徳寺 (世田谷区)、感応寺 (江戸川区)に現存する。
  4. ^ 東京府は太政官政府に対して、他に芝公園上野公園深川公園飛鳥山公園を公園地として上申し指定された。
  5. ^ 観音経』の読誦が終わると同時に緞帳が下ろされ、法要の後に閉扉される。

出典

  1. ^ よくあるご質問(浅草寺公式サイト)
  2. ^ 浅草寺の歴史 浅草寺
  3. ^ 浅草神社について 浅草神社
  4. ^ 村山市役所公式サイト「浅草寺大わらじ奉納」
  5. ^ 浅草寺の本堂も…チタン建材を「城の瓦」に 新日鉄住金が防災価値をアピール
  6. ^ a b c チタン瓦の五重塔公開=浅草寺 - 時事通信
  7. ^ 「ヒョウタン池身売り 浅草観音の本堂再建資金に」『朝日新聞』昭和26年7月13日 3面
  8. ^ a b 「本堂」(浅草寺公式サイト)
  9. ^ 「御宮殿御煤払・御宮殿開扉法要」(浅草寺公式サイト)
  10. ^ 『浅草寺に井波の扁額 彫刻師 南部白雲さん制作』北日本新聞 2020年6月12日26面
  11. ^ 「東京近郊仏像めぐり」の推定。製作年は厳密には不明である
  12. ^ 社団法人江戸消防記念会『江戸消防 創立五十周年記念』東京消防庁監修、非売品、2004年
  13. ^ 淡島堂 浅草寺公式サイト
  14. ^ 全国の戦災の追悼施設・追悼式”. 総務省. 2021年9月1日閲覧。
  15. ^ 浅草開園式(blog)2012年12月23日付
  16. ^ 1920年代の浅草における大衆文化(杉山千鶴)
  17. ^ 公園指定に伴う浅草寺に対する認識の変化(川畑香奈)
  18. ^ 区立公遊園等の紹介台東区HP(2015年6月付)
  19. ^ 四万六千日・ほおずき市(しまんろくせんにち)”. 浅草寺. 2022年5月12日閲覧。
  20. ^ 浅草燈籠祭2017開催場所
  21. ^ 五木寛之 (2009). 百寺巡礼. 第五巻. 講談社文庫  による。なお、仏像ではなく金龍の頭であるという説もあるが疑わしい。
  22. ^ 『東京近郊仏像めぐり』学研パブリッシング、2009年10月。ISBN 978-4056056884 
  23. ^ 「浅草寺のご本尊」(浅草寺公式サイト)
  24. ^ “浅草寺 おみくじ配分事情”. 日本経済新聞朝刊. (2016年6月21日). https://style.nikkei.com/article/DGXKZO03831820Q6A620C1L83000?channel=DF140920160949 2019年1月3日閲覧。 
  25. ^ 平成27年7月8日文部科学省告示第119号
  26. ^ 本堂(浅草大百科)”. 浅草槐の会. 2019年12月8日閲覧。
  27. ^ 浅草寺を知る”. 浅草寺. 2019年12月8日閲覧。
  28. ^ 浅草寺の絵馬については、『金龍山 浅草寺 絵馬図録』(金龍山浅草寺発行、1978年)に詳しい。
  29. ^ 台東区の遺跡-浅草寺遺跡






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