底生生物 概要

底生生物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/01 00:43 UTC 版)

概要

水域に生息する生物の中でも底質に生息する生物の総称である。この場合の底質とは水域の底に当たる岩石砂地、泥地からコンクリートなどの人工建造物によって形成されている底及びそこに付着する海藻サンゴのような固着生物などの生物も含む[1]。したがって、底生生物は、水底の岩、砂、泥にすむもの、およびそこに生活するサンゴや海藻などにすむものをも含む。また、その表面を徘徊するもの、表面に固着するもの、表面から潜り込んで生活するものが含まれる。それらの表面から離れて生活するものは、ネクトンプランクトンに分類されるが、実際にはその表面から余り離れずに生活するものもあり(ネクトベントス、プランクトベントスともいう。)、それらはベントスにまとめられることもある。基質中に潜り込んでいるものをエンドベントス(英語:Endobenthos)と言い、自ら穴を掘って潜るものを潜行性、基質粒子のすき間を利用するものを間隙性という。硬い基質に穴を開けて潜るものを穿孔性という。

日本において「底生生物」という語は「benthos」の訳語として用いられているが本来ベントスはネクトン (Nekton)、プランクトン (Plankton) に対応する生活型の分類の一つである[1]

体長による分類

底生生物はを通過するサイズによって更に以下の通りに分類される[1][2]

ミクロベントス (Microbenthos)
< 0.42mm
メイオベントス (Meiobenthos)
0.42 ≦, < 0.5〜1mm
マクロベントス (Macrobenthos)
0.5〜1mm ≦

移動能力による分類

底生生物はその移動能力によって更に以下の通りに分類される[1]

付着生物 (Sessile benthos)
岩石などに付着している。
移動性生物 (Mobile benthos)
移動能力がある。

  1. ^ a b c d 森敬介 著「ベントス」、巌佐庸・松本忠夫・菊沢喜八郎・日本生態学会(編集) 編『生態学辞典』共立出版、2003年、504-505頁。ISBN 4320056027 
  2. ^ Robert P. Higgins and Hjalmer Thiel (1988). Introduction to the Study of Meiofauna. Smithonian Institution Press 
  3. ^ 漁業活動による環境保全”. 水産庁. 2019年10月23日閲覧。


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