夜叉ヶ池
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/21 13:34 UTC 版)
地形
位置
福井県南条郡南越前町(旧今庄町)と岐阜県揖斐郡揖斐川町(旧坂内村)との境の、夜叉ヶ池山と三周ヶ岳との鞍部である標高1,099 mの稜線直下北西側に位置する[2]。周囲は原生林におおわれている。数十万年前に起きた地滑りによってできた窪地に雨水や周辺の山からの伏流水が溜まり、池になったと考えられている。
水系
池からの河川の出口がなく、伏流水となって周辺に湧き出でるため[5]、九頭竜川水系日野川の支流である岩谷川の源流部に位置する[7]。
周辺の山
西側の夜叉ヶ池山から望む夜叉ヶ池と三周ヶ岳
生物相
夜叉ヶ池の固有種であるヤシャゲンゴロウが生息し、環境省[9]と福井県[10]によりレッドリストの絶滅危惧I類の指定を受けている。またモリアオガエル、クロサンショウウオ、アカハライモリなどが生息し、魚類は生息していない[5]。ヤシャゲンゴロウは、モリアオガエルやクロサンショウウオのオタマジャクシやトンボのヤゴなどをエサとして、池の生態系の頂点に立つ[5]。
アカモノ、カタクリ、ミツバツチグリ、トクワカソウ、ニッコウキスゲ等中部地方の低山でありながら亜高山植物が多い。池の西畔には2004年9月に木道が整備され[11]、生物の生息環境が保護されている[12]。
神社
昔より、雨乞いが行われていた池であり、畔には奥宮夜叉龍神社がある。
- ^ “ヤシャゲンゴロウ”. 福井県. 2012年7月30日閲覧。
- ^ a b c d e f “夜叉ヶ池とパトロール” (PDF). 近畿中国森林管理局福井森林管理署. 2012年7月30日閲覧。
- ^ “ヤシャゲンゴロウと夜叉ヶ池” (PDF). 南越前町. 2012年7月30日閲覧。
- ^ 福井県のすぐれた自然 地形・地質編、p.150
- ^ a b c d 川上 (2009)、148-149頁
- ^ “岐阜県の名水”. 岐阜県. 2012年7月30日閲覧。
- ^ “地図閲覧サービス(夜叉ヶ池)”. 国土地理院. 2012年7月30日閲覧。
- ^ a b 余呉 (2010)、262-263頁
- ^ “植物絶滅危惧種情報検索(ヤシャゲンゴロウ)”. 生物多様性情報システム (2007年8月3日). 2012年7月30日閲覧。
- ^ “福井県レッドデータブック データベース・ヤシャゲンゴロウ”. 福井県自然保護課 (2002年). 2012年7月30日閲覧。
- ^ a b 島田 (2009)、98-99頁
- ^ a b 宮本 (2010)、54-55頁
- ^ a b c 【夜叉ヶ池】夜叉ヶ池伝説(小松和彦) | 劇場文化:SPAC 小松和彦
固有名詞の分類
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