パニック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/03 10:08 UTC 版)
事例
- 1938年、アメリカでのラジオ番組「宇宙戦争」で火星人襲来を信じた群衆の恐怖で起こった騒動は、メディアが誘発したパニック現象の代表例として長く扱われてきた[1]。現在の研究ではパニックに類するものはまったく起きていなかったことが確認されており[41]、誤った新聞報道のみを根拠に書かれた研究書が無批判に受け入れられてきたことによる都市伝説として否定されている[42][43]。
- 1973年、豊川信用金庫事件 - 女子高生のうわさから始まった信用金庫取り付け騒動[1]。ただし、詰めかけた人々はパニックに陥っていたと言うより、半信半疑ながらも念のためにという動機であったことを示す報道もある[44]。
- 1973年、トイレットペーパー騒動 - オイルショックによるトイレットペーパー買い付け騒動[1]。ただし、一般的にはパニックと捉えられているものの[28]、誰もが冷静さを失って買い付けに走ったわけではなく[28]、また買い付けが殺到した結果として物不足は現実になった[45]。
集団パニック
同一空間上の集団の中で、痙攣、歩行障害、動悸、失神、過呼吸や呼吸困難、または突然叫びだすなどの興奮や恍惚状態といったパニック障害やヒステリーの症状が、集団内の一人を発端として多数に連鎖する現象で、集団ヒステリー(mass hysteria)とも呼ばれる[46][47][48][47][48][49]。集団パニック(集団ヒステリー)は他人への同調を原因として発生する。例えば保育園で0歳児の1人が泣き出すとみんなが泣き出したり、大人でも誰かが何かのきっかけで笑うと特に理由はなくともみんなが笑い出すというような現象が見られるが、これらと同じものだと考えられている[50]。症状は過呼吸、興奮、意識障害、電波系を含む妄言や幻覚などで呼びかけにも反応が鈍くなる場合がある[50]。
- 2006年7月27日 千葉県船橋市のショッピングセンターで、女子中学生が次々にパニック症状を訴え、計11人が病院に搬送され、うち4人が入院する騒ぎがあった。1人が体調不良で倒れたのを見て、他の生徒らがショックを受けて症状が連鎖したとされる。これを報じた東京新聞の2006年7月28日付記事によると、過去1年だけでも、秋田、埼玉、大阪、山口、佐賀で、同様な過呼吸の連鎖があったと述べている[50]。
- 2014年6月30日 柳川高等学校(福岡県柳川市)で1年生の女子生徒が叫び声をあげてうずくまり、様子を見に来た他の生徒も同様の症状を発し、女子生徒26人が体調を崩す。同校では同日と翌7月1日を臨時休校とする措置を取る[51][52][48]。
関連作品
- 小説
- 映画
- 「パニック映画」として映画では一ジャンルになっており、多くの映画がある。
- ドラマ
- 『コールドケース 迷宮事件簿』シーズン5第7話「火星人襲来」(原題World's End)
- ラジオ
- 『宇宙戦争』
注釈
出典
- ^ a b c d サトウタツヤ「うわさとパニック」立命館人間科学研究 第7号 2004.3
- ^ 広瀬 2004, pp. 136–140.
- ^ 広瀬 2004, p. 139.
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- ^ a b 山村 2015, p. 127.
- ^ 芳賀繁『失敗のメカニズム—忘れ物から巨大事故まで』角川書店、2003年。ISBN 404371601X。
- ^ a b 山村 2015, p. 126.
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- ^ 広瀬 2004, p. 141.
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- ^ a b 広瀬 2004, pp. 143–145.
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の日付が不正です。 (説明) - ^ "集団ヒステリー". 世界大百科事典 (第2版 ed.). コトバンク. 2015. 2016年12月9日閲覧。
- ^ a b c J-CATニュース「女子生徒18人搬送は集団パニック? 「霊感が強かった」との報道も」2013年6月20日付
- ^ 生徒26人、集団パニックか 柳川高が臨時休校 - 西日本新聞、2014年7月1日
- ^ 福岡・柳川高校で女子が集団パニックか - 日刊スポーツ、2014年6月30日
パニック!
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「パニック!」は、Still Small Voiceの1作目のシングル。1996年6月1日にソニーレコードから発売された。
- 1 パニック!とは
- 2 パニック!の概要
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