ケッペンの気候区分 ケッペンの気候区分の概要

ケッペンの気候区分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/11 10:31 UTC 版)

loc=doi:10.5194/hess-11-1633-2007
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特徴

この気候区分は植生に基づいたものであり、気温降水量の2変数から気候区分を決定でき[1]、特別なデータを必要としない[2]。長所として、気候分類の簡便さ[3][4]、景観の特徴の反映性の高さ[4]が挙げられる。だが、短所として、経験的気候区分ゆえ気候の成因とは無関係であること、小気候の分類には向かないことが挙げられる[4]

歴史

1884年に発表した論文では、季節ごとの温度分布を測定点ごとに示した単純なものであった。1900年に気候区分を拡張した。そして1918年に今日知られている区分とほぼ同じ区分を公表した。この時点ではAからEまでの気候区分が定められていた。1936年に最後の論文を公表した。現在は、トレワーサなどによりH(高山気候)を追加するなどの補正が加わっている。

気候型の判定法

気候型を区分するには各月毎の平均気温と降水量のデータがあればよい[2]。気温を折れ線、降水量を棒グラフで示した雨温図や、縦軸に気温、横軸に降水量をとった座標上に各月のデータをプロットしたハイサーグラフから読み取るのが便利である。

気候帯

樹木気候 寒帯(E) 無樹木気候
亜寒帯(D)
温帯(C)
乾燥帯(B)
熱帯(A)

5つの気候帯があり、低緯度から順に(赤道から極地に向け)A - Eと符号が付けられている。なお、樹木が存在する地域の気候(A・C・D気候)は樹木気候、樹木が存在しない地域の気候(B・E気候)を無樹木気候という[5]

寒帯(E)の判定

無樹木気候のうち、寒冷が原因である地域に相当し、最暖月平均気温が10°C未満の場合に寒帯となる[6]。最寒月平均気温、降水量は考慮しない。

乾燥帯(B)の判定

無樹木気候のうち、乾燥が原因である地域に相当する[6]寒帯ではない地域において[7]、年降水量が乾燥限界値に達しているかどうかで判定する[8]

乾燥限界値は年降水量・年平均気温・降水型で決定され[6]、以下の式で表される(ただし

アジアのケッペンの気候区分
  • アフリカのケッペンの気候区分
  • アメリカのケッペンの気候区分
  • オセアニアのケッペンの気候区分
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  • ロシアのケッペンの気候区分
  • 中東のケッペンの気候区分
  • 南米のケッペンの気候区分
  • 北米のケッペンの気候区分
  • 南アジアのケッペンの気候区分
  • 評価

    実際の気候をよく反映した気候区分であることが高評価の理由であり[2]、2017年時点でも著名な気候区分の1つとなっている[13]。また農業・文化の地域差の説明にも利用されている[6]

    脚注

    注釈

    1. ^ 気象庁の観測地点でツンドラ気候となるのは、富士山頂のみ。

    出典

    1. ^ 日下 2013, p. 169.
    2. ^ a b c 山本・田中・太田 1973, p. 227.
    3. ^ 水越・山下 1985, p. 34.
    4. ^ a b c 葛西・木村 2013, p. 38.
    5. ^ 柏木 2008, pp. 22–23.
    6. ^ a b c d e f g 仁科 2015, p. 78.
    7. ^ 山本・田中・太田 1973, p. 229.
    8. ^ a b c d 柏木 2008, p. 23.
    9. ^ Peel, Finlayson & Mcmahon 2007, pp. 1633–1644.
    10. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 山本・田中・太田 1973, p. 228.
    11. ^ 日下 2013, p. 177.
    12. ^ 葛西・木村 2013, p. 40.
    13. ^ 小池ほか 2017, p. 141.

    参考文献

    洋書

    関連項目

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