カーボイ カーボイの概要

カーボイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/10/07 08:52 UTC 版)

6.5ガロン(24.7 l)ガラス製カーボイ。ビールの発酵容器として使われている。上部に付いているのは発酵栓(エアーロック)。
ブルガリアのデミジョン。

語源

カーボイの語源はペルシア語で「大きな瓶」を意味するqarabah(قرابه)と言われている[1]

「デミジョン」は、正式には大きな本体と小さな首を持ち、編んだ枝で覆われたガラス容器全般を指す古い言葉であり、ペルシアの町ダームガーン(Damghan)の名に由来するとされているが、歴史的証拠はない。オックスフォード英語辞典によれば「デミジョン」の語源はフランス語で「ジェーン夫人」を意味するdame-jeanneとしている[2]。この仮説は、現在知られている史実、すなわち「デミジョン」という単語が17世紀のフランスで初めて使われ、それ以前にはどこでも使われた形跡がないことと一致している。

イギリスにおいては「デミジョン」は4.5リットル(英ガロン)の醸造用ガラス容器を指す。

醸造

ワイン蜂蜜酒ビールなどの醸造において、ガラスプラスチック製のカーボイが発酵容器として用いられる。通常、発酵過程に雑菌酸素の侵入を防ぐため、ゴムと発酵栓(エアーロック)が付けられている。

家庭での醸造では、カーボイでの一次発酵終了後、二次発酵など次の工程のために別のカーボイや瓶に移し替えられる。この工程を通常、澱引き(ラッキング)と呼ぶ。

実験室では精製水の運搬にポリプロピレン製のカーボイが使われる。多くの場合上から水を満たし、下部に付いている蛇口から取り出して使用する。

実験室

現代の実験室では、カーボイは通常プラスチック製である。伝統的には、そして未だに多くの大学においては、古いプラスチックの組成にありがちな、酸による腐食やハロゲン化物による着色を避けるため、鉄分を含んだ有色ガラスもしくは防破性ガラス製のカーボイが使われてきた。実験室で都度使用する溶媒精製水などの保管に、蛇口付きのカーボイが使われる。また、廃液の回収や保管にもカーボイが使われる。もしも誤った表示がされたカーボイに廃液が入れられた場合破損の可能性が低いので、褐色ガラス試薬瓶を再利用するよりもプラスチック製カーボイを使用することが好ましい。

参考文献

関連項目


  1. ^ Hull Museums Collection hullcc.gov.uk
  2. ^ Ocampo, Ambeth R. (August 9, 2006) Philippine Daily Inquirer Tanduay. Page 13.


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