アヒル 形態

アヒル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/12 13:03 UTC 版)

形態

幼鳥

成鳥は全長50 - 80cmほどで、体重は3.0 - 5.0kg前後のものが多く、生態のところで述べてあるように、マガモと比べると大型である。雄より雌の方がやや小さい。生まれたばかりのヒナの体重は70g前後。

黄色が主で、幅が広いいわゆる「アヒル口」の形をしている。上下には細かいギザギザがあるため、獲物の虫をくわえとったり、雑草の新芽を切り取ったりするのに利用する。

は黄色やオレンジ色で、大きな水掻きを持っている。細い木の枝などにつかまることはできない。体温摂氏40.0 - 41.5度ほど。

ガチョウと似ているが、ガチョウはアヒルよりひと回り大きい。またガチョウの首が長く直立しているのに対し、アヒルの首は「乙」の字型で短い。

種類

  • シロアヒル - 日本でよく飼われている。白色で嘴と水かきは黄色い。
  • アオクビアヒル - マガモ形。雄は首が緑色をしていて白い帯があり、胸は褐色。雌は全身が褐色で黒斑がある。関東大型アヒルはこの一系統である。
  • シキアヒル - 体色が淡黄色。卵用の品種で、年間250個ほどの卵を産む。
  • カーキーキャンベル - 羽毛や体毛がカーキ色。採卵用として飼育されている。
  • カユーガアヒル - 体色が黒味を帯びた緑色。肉、卵、観賞用に飼育されている。アメリカ合衆国原産。
  • カンムリアヒル - 冠羽を持つアヒル。愛玩用、観賞用。羽毛の色(体色)は白のものが多い。
  • ザクセンアヒル - 大型種。ドイツ原産。全体的に淡い色となる。ルーアンアヒル、ドイツペキン種、青ポメラニアアヒルをかけあわせて作出された。卵用、観賞用、愛玩用。
  • シルバーアップルヤード - 大型種。全体的に白が多く混じる。イギリス原産。卵用、肉用、観賞用、愛玩用として飼育される。
  • スウェディッシュブルー - 中型種。青みがかった灰色。スウェーデン原産。
  • ナキアヒル - 小型のアヒル。カモ猟での生きたおとり(デコイ)として作出されたが、現在は観賞用、愛玩用として飼育されることが多い。コールダック (en:Call duck) とも呼ばれる。体色は白からアオクビ模様のものまで様々である。
  • バフアヒル - 卵用、肉用の品種。イギリス産。
  • ルーアンアヒル - アオクビアヒルとよく似ている。マガモ形。主に肉用として飼育されている。フランスでの飼育が盛ん。
  • インディアンランナー - 卵用の品種。走るのが得意。インドネシア原産。
  • エイルズベリーアヒル - 主に肉用。イギリスで盛んに飼育されている。
  • テイゲール - 卵用。インドネシアで多く飼われている。
  • ポメラニアアヒル - 中型品種。ドイツ原産。
  • マグパイアヒル - 小型の卵用品種。ウェールズ原産。
  • 大阪アヒル - 北京種とアオクビアヒルの雑種。容姿はペキンに似ている。
  • ペキンアヒル - 体は白く、脚は赤く、くちばしは黄色。姿勢は斜立している。
  • ムスコビーアヒル - いわゆるバリケン種で、ノバリケン (Cairina moschata) を家畜化したものなので別属。肉用。
  • 観音アヒル - バリケン種のひとつ。沖縄県では中国から導入された。顔が赤い。食用に飼育されている。
  • ムラード - ムスコビーアヒルとペキンアヒルの一代雑種。繁殖能力はない。肉用およびフランスではフォアグラの生産用に飼育されている。

アヒルとマガモの交配種がアイガモである。ナキアヒルとも呼ばれる。アイガモは飛ぶことができる。アヒルは野生化した個体であっても、飛ぶのは苦手である。

利用

台湾で飼育されているアヒル

用途は愛玩食用採卵ダウンジャケット羽毛布団などの羽毛採集など。鴨肉として流通しているものの大半はアヒルの肉である。アヒルとマガモを交配させたアイガモの肉も鴨肉として流通していることもある。アイガモの外見はマガモに似る。

日本では公園などの池に放し飼いにされているほか、ペットとしても飼われている。野生のアヒルは家禽のニワトリとは異なり嘴の先端をカット(デビーク)していないため、大きな嘴で突かれたり噛まれたりすると出血する場合もあるので注意を要する。


  1. ^ 鴨の漢字情報”. 2020年4月3日閲覧。
  2. ^ 農文協『そだててあそぼう第4集 ニワトリの絵本』ISBN 9784540981494
  3. ^ 藤本和典著、『生物いまどき進化論』、技術評論社、2009年12月10日初版第1刷発行、ISBN 9784774140568
  4. ^ a b c d e Pet pedia”. 2020年3月29日閲覧。
  5. ^ アヒルの生態と特徴、歴史などについて。飼育時の餌や寿命は?-動物JP”. 2020年3月29日閲覧。
  6. ^ a b アヒル・家鴨(あひる)-語源由来辞典”. 2020年3月29日閲覧。
  7. ^ アヒルってこんな動物-畜産ZOO鑑”. 2020年3月29日閲覧。
  8. ^ 久留聡、「筋ジストロフィーの症状とリハビリテーションについて (PDF) 国立病院機構鈴鹿病院
  9. ^ 家鴨の脚絆の意味 goo辞書”. 2020年3月30日閲覧。
  10. ^ 「家鴨も鴨の気位」の意味”. 2020年3月30日閲覧。





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アヒル」の関連用語

1
100% |||||


3
94% |||||

4
94% |||||

5
94% |||||

6
94% |||||

7
94% |||||

8
72% |||||

9
72% |||||


アヒルのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アヒルのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアヒル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS