PV 関数
適用対象: Microsoft Excel 2010, Excel Web App, SharePoint Online for enterprises, SharePoint Online for professionals and small businesses
説明
投資の現在価値を返します。現在価値とは、将来行われる一連の支払いを、現時点で一括払いした場合の合計金額をいいます。たとえば、借金をした場合、借入金額の合計が、貸方に対する現在価値となります。
書式
PV(利率, 期間, 定期支払額, [将来価値], [支払期日])
- 利率 必ず指定します。投資の利率を指定します。たとえば、年利 10% の自動車ローンを利用して月払いで返済を行う場合、月単位の金利は 10%/12 = 0.83% となります。この場合、数式には 10%/12、0.83%、または 0.0083 の形式で指定します。
- 期間 必ず指定します。投資期間全体での支払回数の合計を指定します。たとえば、4 年ローンを利用して月払いで返済を行う場合、このローンの支払回数は 4*12 = 48 となります。この場合、数式には 48 の形式で指定します。
- 定期支払額 必ず指定します。毎回の支払額を指定します。投資期間内に支払額を変更することはできません。通常、定期支払額には元金と利息が含まれますが、その他の手数料や税金は含まれません。たとえば、100 万円を年利 12% の 4 年ローンで借り入れた場合、毎月の返済額は 26,334 円になります。定期支払額は、-26334 のように負の値として指定します。定期支払額を省略した場合は、将来価値を必ず指定してください。
- 将来価値 省略可能です。投資の将来価値、つまり最後の支払いを行った後に残る現金の収支を指定します。将来価値を省略すると、0 を指定したと見なされます。たとえば、ローンなどの借入金の将来価値は 0 になります。たとえば、18 年間で 500 万円をためることを目標にした場合、この投資の将来価値は 5,000,000 になります。投資期間の金利を予測することにより、毎月の貯蓄額を決めることができます。将来価値を省略した場合は、定期支払額を必ず指定してください。
- 支払期日 省略可能です。支払いがいつ行われるかを、数値の 0 または 1 で指定します。
解説
- 利率 と期間を指定するときは、時間的な単位を一致させる必要があります。たとえば、年利 12% の 4 年ローンを月払いで返済する場合、利率には 12%/12 = 1 (%) を、また期間には 4*12 = 48 (月) を指定します。また、これと同じローンを年払いで返済する場合は、利率に 12 (%)、期間に 4 (年) を指定します。
- 以下の関数は、投資やローンを計算するために使用することができます。
これらの関数の対象となる投資は、定額の支払いが定期的に行われることが前提になっています。たとえば、自動車ローンや不動産ローンなどが投資の対象になります。詳細については、各関数の説明を参照してください。- 投資関数では、すべての引数に関して、定額預金の支払いのような出金は負の数で表し、配当金のような入金は正の数で表します。たとえば、銀行口座の預金 10 万円を引数として使用する場合、預金者側は -100000、銀行側では 100000 と指定します。
- 財務関数の引数は、相互に関連しています。たとえば、利率が 0 でない場合は、次の数式が成立します。
ここで
(定期支払額 * 期間) + 現在価値 + 将来価値 = 0
使用例
使用例を新規のワークシートにコピーすると、計算結果を確認できます。
その方法は?
戻り値は出金 (負のキャッシュ フロー) を表しているため、負の数になります。計算の結果、投資の現在価値 \5,977,715 は、証券の価格 \6,000,000 より少なくなります。つまりこの投資は有利なものとはいえません。
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