ウィキペディア |
ルジャンドル変換
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2009/07/02 11:11 UTC 版)
ルジャンドル変換(るじゃんどるへんかん)とは、関数の変数を変えるために用いられる変換。解析力学や熱力学などで用いられる。
数学では、ある関数関係f(x)を、その引数がxではなくfの微分であるような別の関数として表現したいことがときどきある。下に定義するように、
を引数とする新しい関数を
としたとき、この関数をもとの関数のルジャンドル変換と呼ぶ(アドリアン=マリ・ルジャンドルから)。
関数fのルジャンドル変換
は次のように定義される:
記法 maxx はpを固定し、変数xを動かしたときの最大値を表す。ルジャンドル変換の一次導関数
はもとの関数の一次導関数Dfの逆関数である。よく知られたフーリエ変換のように、ルジャンドル変換は関数 f(x) を取り、異なる変数 p の関数を作る。しかし、フーリエ変換が核の積分であるのに対して、ルジャンドル変換は変換手続きとして最大化を使う。変換がよい振る舞いをするのはf(x)が凸関数であるときに限る。
ルジャンドル変換は点と線の双対性の応用例である。関数関係 f(x) は (x, y) の点の集合によって表現できるが、それらの傾きと切片の値で指定される接線の集合によっても等しく十分に表現できる。
ルジャンドル変換はルジャンドル-フェンシェル変換に一般化できる。それは広く熱力学と古典力学のハミルトニアン形式で使われる。
目次 |
定義と証明
ある関数
があったときに、変数
をyに変換することを考える。このとき、
である。ここで新しい関数G = F − xiyを定義する。すると、この微分は、
であるから、Gの変数ではxiからyに変わっていることが分かる。
応用例
解析力学
解析力学では、ラグランジアンLをハミルトニアンHに変換する際に、ルジャンドル変換が用いられる。 座標をqとしたときに正準運動量を
として、
で定義する。これによって、
からH(q,p)になる。
熱力学
熱力学では、内部エネルギーU(S,V,N)をエンタルピーH(S,p,N)、ヘルムホルツの自由エネルギーF(T,V,N)に、またそれらからギブスの自由エネルギーG(T,p,N)に変換する際にルジャンドル変換が用いられる。
- H = U + pV
- F = U − TS
- G = U + pV − TS
ここで、S:エントロピー、V:体積、N:粒子数、p:圧力、T:温度である。






