PCM音声のビット深度とは? わかりやすく解説

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PCM音声のビット深度

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/07/05 03:54 UTC 版)

ビット深度 (音響機器)」の記事における「PCM音声のビット深度」の解説

デジタルオーディオ記録方式はいくつかあるが、最も広くCD-DADVDコンピュータなどで使われているものはパルス符号変調PCM方式である。PCM通常1秒間数万回の間隔音圧電気的に電圧)を数値変換量子化)し離散的デジタル記録標本化)するものであるが、その量子化精度ビット深度によって左右されるデジタル数値二進法記録され、そのビット深度であるため、記録可能な数の段階は2のビット深度乗で求められるビット深度小さくすると、原音記録され近似値との誤差大きくなり、原音波形忠実に再現することが困難になる。その誤差量子化誤差呼ばれ8ビット256段階)など誤差大きくなりやすい場合には人間の耳にも雑音として聞こえ程度になる。 CD-DA規格16ビットビット深度持ち、約96dBのダイナミックレンジを持つ。 DVD音声規格24ビットビット深度サポートし、約144dBのダイナミックレンジを持つ。 音響工学分野では音の振幅再現精度を表す際、再現可能な最小値最大値の比を対数尺度であるデシベルdB単位ダイナミックレンジとして表す。あるビット深度でのダイナミックレンジ次の式で求められる音声圧縮コンパンディング考慮しない、無圧縮リニアPCM場合)。 D R d B = 20 l o g 10 ( 2 n ) {\displaystyle DR_{dB}=20log_{10}(2^{n})} 、または簡易的D R d B = 6.02 n {\displaystyle DR_{dB}=6.02n} 人間聴覚は120dBのダイナミックレンジと、2020000ヘルツHz)の周波数知覚する能力があるとされている。よって、人間聴覚劣らない程度まで忠実に音を再現するには、およそ24ビット程度ビット深度が必要といわれている。例えば、音楽用DVD規格には24ビット/96kHz DTS トラックのものがある。ただし、実際に24ビット深度での理論上ノイズフロア(-144.50 dB)を達成した音響機器存在しない実用的なダイナミックレンジ(約 110 dBであれば24ビットでの量子化雑音以外のノイズには対応可能である。 あるビット深度での信号対雑音比フルスケール正弦波量子化雑音実効値での比)は次の式で求められる量子化雑音波高率はのこぎり波同等とする)。 S N R d B = 20 l o g 10 ( 1 / 2 1 / 2 n / 3 ) = 20 l o g 10 ( 2 n 3 / 2 ) {\displaystyle SNR_{dB}=20log_{10}\left({\frac {1/{\sqrt {2}}}{1/2^{n}/{\sqrt {3}}}}\right)=20log_{10}(2^{n}{\sqrt {3/2}})} 、または簡易的S N R d B = 6.02 n + 1.76 {\displaystyle SNR_{dB}=6.02n+1.76} 概念上、量子化誤差単純な端数処理においてはのこぎり波状の周期性を持つ。こうした誤差周期性は、原音波形同調し規則性により耳障りさに寄与するため、実用上には誤差成分揺らぎ与えて広い周波数帯域拡散したり、あるいは可聴域外に排除するディザ呼ばれる技術使われている。ディザ処理は通常1ビットLSB)分程度雑音成分加えるが、確率共鳴により1ビット未満微小な振幅拾い上げる効果もある。

※この「PCM音声のビット深度」の解説は、「ビット深度 (音響機器)」の解説の一部です。
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