CZ法とは? わかりやすく解説

チョクラルスキー法

(CZ法 から転送)

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チョクラルスキー法(チョクラルスキーほう)とは半導体シリコンゲルマニウムヒ化ガリウム)、金属(白金)、塩類人造宝石向けに使用される超高純度の単結晶を成長させる、結晶育成法のひとつである。


  1. ^ J. Aleksic et al., Ann. of NY Academy of Sci. 972 (2002) 158.


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Cz法

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シリコンウェハー」の記事における「Cz法」の解説

材料となる粗く砕かれた高純度多結晶シリコンは、石英のるつぼに詰められるこの段階で最終的な半導体特性決め微量導電不純物である、P型ならホウ素 (B) を、N型ならリン (P)アンチモン (Sb) を加えておく。石英るつぼ不活性ガス満たされた炉内に納められると、周囲からカーボンヒーター加熱され多結晶シリコンはやがて溶融する溶けたシリコン液相表面温度溶解温度となるように厳密に管理され、その表面中心にピアノ線吊るされ種結晶接触させた後、ゆっくりと回転させながら引き上げていく。種結晶接触した下部ではわずかに冷やされシリコン固体となって析出し種結晶結晶配列引き継いで溶解シリコン表面との間に成長してゆく。溶解シリコンから引き上げて成長させる過程で、引き上げ速度を少し上げたり溶解シリコン温度を少し上げると結晶径が減少し、その逆は結晶径が拡大する種結晶それまで作ったシリコン単結晶残余であるが、内部原子配列転位含まれている可能性があるため、下に成長してゆくシリコンへこの乱れ引き継がれないように「種しぼり」(ネッキング)と呼ばれる意図的に3 – 5 mm程度まで細くした部分作る。この種しぼりによって結晶転位存在していても熱拡散によって転位上方移動するので無転位となる。また、結晶欠陥転位表面移動することで結晶界面のエネルギー減じることも欠陥排除されることになる。種しぼり後は、るつぼの温度下げて溶解シリコン過冷却状態にする。望む口径インゴットとなるように、溶解シリコン温度引き上げ速度回転数調整しながらゆっくりと回転させて引き上げていく。2000年代後半現在最新直径300 mmインゴット重さ350 kgにもなる。 石英製るつぼの表面から溶解シリコン中に酸素混入するが、多くSiOとして融解シリコン表面からガスとなって蒸発し炉壁などに付着して微粒子となる。この微粒子が再び融解シリコン表面落下して結晶内に取り込まれる転位結晶となるため、炉の上部からアルゴンガスを導入して真空ポンプ吸引しSiOガス排除することでこの影響小さくする。また、炉壁から対流によって直接結晶中に取り込まれる酸素少なくするために、超伝導電磁石による静磁場を炉内に印加して溶解シリコン内の対流抑制するMCZ法(Magnetic CZ法)が使われるまた、融解シリコンから出たSiOガスが炉内のヒーターとして使われるグラファイト反応してCOCO2発生している。これを放置する融解シリコン溶け込み結晶中に取り込まれ炭素濃度高めることになるのでこのためにもアルゴンガスで排気されている。偏析係数が1より小さ炭素 (0.07) や窒素 (7×10-4) 、ホウ素 (0.8) 、リン (0.35) といった不純物濃度結晶の成長に従って石英るつぼ中の融解シリコン液の減少により徐々に濃くなるため、結晶成長初期より終期の方が結晶中に取り込まれる不純物濃度高くなる偏析係数が1より大きい不純物はこの逆の効果起きる。酸素偏析係数が1より大きい小さいかは結論出ていない。ドーパントとしてリンよりホウ素選ばれるのは偏析による偏り比較小さいためである。 CZ法は大口径の単結晶作りやすく、2000年代現在では量産半導体使用される[100]方位大口ウェハー用の単結晶インゴットは、すべてこの方法により作られている。例外として結晶の成長方向にそって抵抗率変化大きいという問題により、パワーデバイスにはあまり用いられない

※この「Cz法」の解説は、「シリコンウェハー」の解説の一部です。
「Cz法」を含む「シリコンウェハー」の記事については、「シリコンウェハー」の概要を参照ください。

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