A300-600の開発とは? わかりやすく解説

A300-600の開発

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 02:29 UTC 版)

エアバスA300」の記事における「A300-600の開発」の解説

詳細は「エアバスA300-600」を参照 エアバス・インダストリーはA310だけでなく、A300への新技術投入早くから考えていた。新しA300では、A310との競合避けるため座席数を少し増やしつつ、A310と同じ2人乗務コックピット導入してA300とA310の運航共通性高めることになった。この次世代型A300機体構造はA300B4をベース開発され正式な型式名はA300B4-600と名付けられたが、一般的にA300-600呼ばれるようになった本項では以下、A300-600より前に開発されA300シリーズA300第1世代A300-600およびその派生型A300-600シリーズと呼ぶ。 2人乗務コックピットは、A300第1世代の頃から研究されていた。A300第1世代通常仕様では、航空機関士操作する機器類は主にコックピット内の右舷側にあるが、エンジン始動後は航空機関士前方向き座って飛行できるよう操作パネル配置されていた。エアバス・インダストリーは、この考え一段と進めて航空機関士を必要とせず操縦士2名だけでの運航可能なFFCCForward Facing Crew Cockpit の略)と呼ばれるコックピット開発したA300FFCC仕様機は1981年10月6日初飛行し、ワイドボディ機として世界初となる操縦士2名だけでの飛行3時40実施したFFCC仕様機の試験順調に進み1982年ガルーダ・インドネシア航空に対して引き渡しが行われた。また、1980年代前半A300垂直安定板前縁主脚扉などをCFRP製とした試作品開発実証試験行われていた。 これらの取り組みやA310で蓄積され技術A300-600反映された。A300-600の開発では、A300第1世代より航続力搭載力を強化すること、そして、可能な限りA310との共通性持たせて開発・生産コスト航空会社運用コスト抑えることを目指して以下の点などが変更された。 A300B4の後部胴体を平行部分を3フレーム(1.59メートル延長する一方で、2フレーム短縮されたA310の尾部流用し座席を1列 - 2列分(8 - 16席)増やしつつ胴体延長による重心尾翼間距離の変化抑えた主翼改良加えられ動翼簡素化されたほか、翼型空力学的特性がA310の新型主翼に近づけられた。失速特性改善され主翼スラットフェンス不要になり除去された。 水平尾翼はA310と同じ小型のものに変更された。 フライ・バイ・ワイヤ等の採用コックピットはA310とほぼ共通化され、2人乗務での運航標準となったほか、操縦士操縦資格もA310とA300-600とで共通化された。 上記主翼改良小型水平尾翼採用フライ・バイ・ワイヤの導入加え複合材料使用拡大小型軽量補助動力装置採用、カーボンブレーキの採用客室装備等軽量化により全体で2トン軽量化実現したエンジンGECF6シリーズP&W製のJT9Dシリーズであるが、燃料消費率推力向上した改良型変更された。 生産途中からは、翼端渦抑えて揚抗比向上させるため、主翼翼端にウイングチップ・フェンスと名付けられ矢尻状の板が追加された。 A300-600最初に発注したのはサウジアラビア航空(現・サウディア)で、その内容JT9Dエンジン装備仕様11であった。これにより1980年12月6日にA300-600の開発が正式決定された。A300・A310通算252号機がA300-600初号機となり1983年7月9日初飛行した。型式証明のための飛行試験には3機が用いられ飛行回数はのべ232回、飛行時間は計506時間試験が行われた。1984年3月9日型式証明交付され同月25日サウジアラビア航空に対して納入され翌月初就航した。1985年までにサウジアラビア航空加えてクウェート航空タイ国際航空でもA300-600就航始まった

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