高等教育機関のランキングに関するベルリン原則
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「世界大学ランキング」の記事における「高等教育機関のランキングに関するベルリン原則」の解説
2006年に、IREG(国際ランキング専門家グループ) が大学ランキングの質とグッド・プラクティスに関する原則(ベルリン原則)を策定。大学ランキングを編集する際の実施・作成に関する枠組16項目。 ランキングの目的・目標 高等教育のインプット、プロセス、アウトプットの多様な評価手法のひとつであること。ランキングは、高等教育についての比較可能な情報を与え、理解を高めるが、高等教育がどのようなものであり、どのようなことを行うかについて評価をするための主要な手法となるべきではない。ランキングは、市場に基盤をおく見方を示し、そのことによって、政府、アクレディテーション団体、そして独立した評価機関の業務を補完することができる。 ランキングの目的及び、誰を対象としたランキングであるかを、明確にすること。ランキングはその目的に適切に沿うように設計されなければならない。ある特定の目的を満たしたり、ある特定のグループに対して情報を与えるように設計された諸指標は、他の目的やグループに対しては、適切ではないかもしれない。 高等教育機関の多様性を認識し、各高等教育機関の多様なミッション・目標を考慮すること。例えば、研究志向の高等教育機関の質を測る方法は、高等教育が行き渡っていないコミュニティに対して広範なアクセスを提供する高等教育機関の質を測る方法とは、非常に異なったものになる。ランク付けされる高等教育機関と、ランキングのプロセスに対して情報を提供している専門家に対しては、頻繁に相談がなされるべきである。 ランキングに用いた情報源の範囲及びそれぞれの情報源が発しているメッセージを明確に提示すること。ランキングの結果が適切かどうかは、その情報を享受する相手と、その情報の出所(例えば、データベース、学生、教授、雇用者など)によって決まる。良い実践のあり方としては、ランキングに含まれる高等教育機関に対してより完全な理解を得るために、これらの情報源から提供される様々な見方を組み合わせることが考えられる。 ランキングが行われている各教育システムについての、言語・文化・経済及び歴史的な文脈を特定すること。特に国際ランキングは、偏った見方となる可能性を意識し、ランキングの目的を明示すべきである。全ての国や教育システムが、何が高等教育機関の「質」を構成するのかに関して同じ価値や信念を共有しているわけではないし、そのような比較を強制するためのランキングを考案すべきではない。 指標のデザインと重み付け ランキング作成に用いる手法に関して透明性をもつこと。ランキング作成に用いる手法の選択は、明確で、曖昧さをもたないものであるべきである。ここでは、データの出所だけではなく、諸指標の算定の仕方についても透明性を確保すべきである。 指標は、関連性と妥当性を考慮して、選ぶこと。データの選択は、そのデータが利用可能かどうかではなく、それぞれの尺度がもつ、高等教育の質及び学術上や機関の強さを表す能力があるかの判断に基づいて行うべきである。それぞれの尺度がなぜ採用されたのか、また、それらの尺度を何に表そうとしているのかを明確にしなければならない。 可能であるときは常に、インプットよりもアウトカム(事後的な効果)を優先して測定すること。インプットに関するデータは、すでに定められた体制や秩序の全般的状況を反映するのに適しており、利用可能であることが多い。アウトカムについての尺度は、高等教育機関やその教育プログラムの位置づけや質についてのより正確な評価を示す。ランキングの編集者は、適切なバランスを確実にとるようにすべきである。 (使用される)多様な指標に対しての重み付けを明示し、変更を制限すること。重み付けを変更すると、高等教育機関やそのプログラムの位置付けが変化したときに、それが本当の違いを表しているのか、ランキングの手法が変更されたために起きた変化なのかを消費者が見分けることが難しくなる。 データの収集と処理 この「原則」に示された倫理基準とグッド・プラクティスの勧告に対して適切な注意を払うこと。各ランキングの信頼性を保証するため、データの収集・使用や実地訪問を行う責任者は、可能な限り客観的で公平であるべきである。 可能であるときはいつも、監査され、検証可能なデータを使用すべきである。このようなデータは、高等教育機関によって実際受け入れられてきたし、高等教育機関の間での比較が可能であり、互換性もあるなどの利点がある。 科学的なデータ収集としての適切な手続きを通じて収集されたデータを含むこと。データの収集源である学生・教員その他のパートナーが代表性をもたなかったり歪曲されたサンプルであった場合、そのデータが高等教育機関やその教育プログラムを正確に代表していない危険があり、そのようなデータは取り除かれるべきである。 質保証の評価基準をランキングのプロセス自体に適用すること。ランキングのプロセスは、高等教育機関の評価に用いられる専門的技術に留意すべきであり、また、ランキング自体の評価にこの知識を用いるべきである。ランキングは、手法の開発にあたって絶え間なくこの専門的技術を利用する、ラーニング(学習する)・システムであるべきである。 ランキングの信頼性を高める組織分析の手法(organizational measures)を適用すること。この手法の実施にあたっては、望ましくは国際的な、アドバイスや指導を行う組織を関与させることが可能である。 ランキング結果の呈示 ランキングの開発に用いられるすべての要素について、消費者が明確に理解できるようにすること。また、ランキングをどのように表示するかを消費者が選択できるようにすること。これにより、ランキングの利用者は、高等教育機関やその教育プログラムのランキングに用いられる諸指標についての理解が深まるだろう。さらに、利用者がこれらの指標の重み付けを自分で決める、何らかの機会があるべきである。 オリジナル・データの誤りを除去するか、または減少させる方法を集積すること、また、誤り・過失を修正する方法を組織化し、公表すること。高等教育機関と社会は、発生した誤りについて知らされるべきである。
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