青銅と鉄の入手
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 23:08 UTC 版)
朝鮮半島を訪れる弥生人の主な目的は青銅と鉄だった。朝鮮半島で鉄関連の資料がある遺跡のうち45%の場所で弥生式土器も発見されている。鉄鉱石が産する達川遺跡や、鉄交易を行なっていた勒島遺跡などがある。『魏志倭人伝』の一支国の首都とされる原の辻遺跡には人工的な港があり、大陸や半島南部との貿易拠点として建設されていた。漢が建設した楽浪郡では土器、青銅器、鉄器が生産されており、朝鮮人の他に日本人(倭人)も訪れて壱岐、対馬、北部九州へ運んだ。『魏志』弁辰伝には弁韓の鉄を求める倭からの来訪者が書かれており、『漢書』の地理志には「楽浪海中倭人あり」とある。銅鏡、鉄製品、ガラス玉など大陸の品を入手するために、日本側では海岸で生産した塩、そして稲や生口(奴隷)を送った。伽耶には、鉄を得るために倭人が訪れていたという記述が『魏志』にある。ヤマト王権による統一前には、邪馬台国、九州北部の奴国や伊都国、瀬戸内海の吉備氏などが朝鮮半島と貿易をした。倭国は倭錦や真綿などの絹製品や、九州北部の穀物を輸出した。『魏志』には、壱岐島や対馬が市糴(穀物貿易)を南北で行なったという記述がある。
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