陸戦強襲型ガンタンク
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OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO 2 重力戦線』に登場。メカニックデザインは山根公利。型式番号は「アールティーエックスよんよんまる」と読む。 ジオン公国軍の地球侵攻作戦において、連邦地上軍の主力である61式戦車ではザクに対抗できない事態を重く見た連邦軍首脳部が、対抗可能な地上戦力を模索した結果、復活したいくつかの兵器開発計画のひとつ。ガンタンクのプロトタイプに改装されていないRTX-44に、ザクとの戦闘経験をフィードバックした改修がほどこされている。開発過程においてはガンタンクと同様にコア・ブロック・システムの導入が検討されていたため、コックピット内部のレイアウトなどはコア・ファイターやのちのジム系MSとの共通点が見られる。頭部に当たる部分はセンサー・ユニットになっており、側面にスモークディスチャージャーを装備する。 戦況に応じて2種類の形態に簡易変形が可能であるのが本車の最大の特徴である。全高の高い通常形態は、主兵装である220ミリキャノン砲(滑腔砲とも呼ばれ、ガンタンクと異なり右側のみ1門)の仰角および視界を確保するには好都合であるが、重心が高いために高速機動時は不安定となる。突撃砲形態では、前のめりになる形で上半身を前方にスライドさせ、前部のサブ・クローラーで支えることで重心を低くし、全面投影面積を最小限に抑えるとともに、サブ・クローラーに荷重を分散させることで優れた高速機動が可能となる。ただし、本車の真価が発揮されるのは通常形態であり、運用思想上は突撃砲形態は通常形態による近接戦闘に持ち込むための手段である。なお、通常形態時は上半身の旋回が可能である。 武装はほかに、両前腕部にガンタンクと同様のボップ・ガンを装備するが、右腕は4連装、左腕は2連装となっており、左腕は火炎放射器と30ミリ機関砲を組み合わせた複合火器となっている。火炎放射器の燃料タンクは車体後方の左右に1基ずつ設置されており、使用後は爆発ボルトによって排除が可能。さらに、履帯の外側に着脱式の武装を装備可能で、実戦参加時には右側にMLRS(多連装ロケット・システム、陸戦型ジム用のものを転用)と重地雷4基、左側に56連装ロケット・ランチャーを装備している。これら多数の武装を運用するため、パイロットは複雑な火器管制システムを使いこなす技術が必要となり、そのために実戦参加時のパイロットには本機の開発に携わった技術士官が任命されている。 劇中での活躍 『MS IGLOO 2 重力戦線』第3話で、本車の軍機情報漏洩幇助罪で投獄されていたアリーヌ・ネイズン技術中尉ら3名が開放され、小隊として本車3両に搭乗。ヨーロッパ各地を転戦したあと、11月8日夕方に独立混成第44旅団に合流し、翌9日からオデッサ作戦に参加する。陸戦型ジムの部隊の支援を要請されるが、それまで先陣を切らされていたためその方法が分からず、「MSってのはこの程度かい!」とのネイズンの台詞とともに突撃砲形態で先頭におどり出る。多数の敵機を撃破するとともに、敵トーチカの位置座標を連絡し、陸戦艇ビッグ・トレーに撃破させる。クズワヨ車はザクIの攻撃を受け損傷、道連れに自爆装置で相討ちにする。カルッピ車は陸戦艇ダブデに特攻するも、撃破には至らず。ネイズン車は新たなダブデを捕捉し突撃、至近距離で自爆し相討ちとなる。ほかに劇中で確認できる小隊の戦果は装甲車サウロペルタ1両、マゼラアタック6両、ザクII 12機、グフカスタム1機、ドム2機(1機は中破)。 夏元雅人の漫画『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』では、宇宙世紀0083年に月のフォン・ブラウン市より出現したヴァル・ヴァロを鎮圧するため、フォン・ブラウン駐留軍のコロンブス改級より1両が発進し、月面に降り立つ。前腕部は右がガトリング砲、左がガンタンクIIに似た3連装ミサイル・ランチャーとなっており、両腕にジムのシールドを装備している。また、上面のセンサーに代わってボールK型の連装砲「フィフティーン・キャリバー」が装備されており、コックピット前面にセンサー状のものが見て取れる。最後は、ヴァル・ヴァロを迎えに来たガンダム試作2号機に両断される。原作版アニメである『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』には登場しない。 設定の変遷 『MS IGLOO 2 重力戦線』の企画段階では、型式番号が "RTX-44" として発表されていたが、後に "RTX-440" に変更された[要出典]。
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