阿片事件とは? わかりやすく解説

阿片事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 06:45 UTC 版)

平岡定太郎」の記事における「阿片事件」の解説

東京日日新聞記事には、「大正八年十二月三十一日午後十時三十分大連駅に於いて巡査岡崎長春行列車に小畠庄二郎阿片煙土九十六個を一個トランク入れて発送密輸せんとしたのを押へた。此阿片大連関大連駅貨検所を検査通過しやまとホテルボーイ上田藤平小畠の命で発車時間々際に奉天送りの手続き為し一等車乗ってゐた前樺太長官平岡定太郎に其合鍵を渡すのを認め岡崎巡査平岡知って知らず海関外勤部長浜田正直貨検所員白井久保立会の上差押へたもので此発生事件に就き平岡小畠狼狽一方ならず直に中野民政署長通報し署長海関交渉し押収阿片引渡を受け曖昧裡に葬った平岡氏は此事件関連してゐるのは奇怪だが兎に角何者かゞ天津方面密輸せんとしたものだ」とある。 事件概要は、猪瀬直樹によると、「大正8年1919年12月31日)夜、定太郎はやまとホテル出て馬車大連駅向かった一等車コンパートメントの外に立ち、幾度も懐中時計取り出した誰か待っているのだ。やがて、やまとホテルボーイ一等車にやってきた。ボーイ尾行気づかない発車間際である。ボーイは定太郎に(トランクの)鍵を渡して立ち去ろう背を向け、定太郎コンパートメントドア開けてなかへ入ろうとした瞬間、“ちょっと待った”という声が響いた。“あなたが受け取った鍵は、通関していないトランクのものです” 荷物列車乗せる前、税関検査を受ける。通関していなければ密輸品と断定されてしまう。定太郎は、“そんなはずはない”としらを切った。だが巡査確信ありげに、“その鍵はあなたのものですか、そうであれば通関していないトランクもあなたのものと認定せざるを得ませんな”と主張した。定太郎は、巡査トランク中身知っている、と思い観念した。ことを荒立てては損だ、とそのまま巡査に鍵を渡し一等車の客となって夜の大連から消えた巡査税関関係者立会いのもとにトランク開けた。なかから阿片煙土(粘土状のもの)九十六個(重量44キログラム)が出てきた。末端価格一万二千円で(現在の価格換算する1億円余)で、三井物産納品であった」という。 猪瀬直樹解説によると、「当時関東庁の下には阿片総局という財団法人があった。名目上医薬品として阿片中国人専売し、それで得た利益をもとに宏済善堂という慈善団体病院経営貧し阿片患者救済にあてるタテマエだった。長春行き列車一等車で定太郎は、その阿片総局書記務め小畠貞次郎トランクを運ぶはずだった。阿片総局で扱う阿片は、表向き帳簿記載される取引だけではなかった。小畠のような人物が、自分裁量というより組織的に阿片密売人売り捌いて裏金づくり励んでいた。小畠指示出していたのは関東庁民政署長中野有光で、さらにその上に拓殖局長官古賀廉造がいた。(中略古賀原敬司法省法律学校時代同期生である。原が内相になれば警保局長首相になれば拓殖局長官と、いつも引き立てられていた。樺太庁長官を六年も務めた太郎外地行政に詳しい。拓殖局長官古賀廉造は、職制上、外地一般視野入れている。(中略)(原の)つぎの課題外地であった。(中略)定太郎は原と政友会資金集めのため、危ない橋を渡っていた」という。

※この「阿片事件」の解説は、「平岡定太郎」の解説の一部です。
「阿片事件」を含む「平岡定太郎」の記事については、「平岡定太郎」の概要を参照ください。

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