追悼と教訓の継承
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 15:10 UTC 版)
「阪神・淡路大震災」の記事における「追悼と教訓の継承」の解説
震災の記録・記憶を残すため、以下の施設が作られた。 「人と防災未来センター」 - 神戸市中央区(新潟県中越地震による新潟県への別館建設も検討中) 「北淡震災記念公園」 - 津名郡北淡町(現在の淡路市北部)(兵庫県南部地震の震源となり、一部が地上に露出した野島断層保存館を併設。断層は国の天然記念物にもなっている) 「神戸港震災メモリアルパーク」 - 神戸市中央区のメリケンパーク(崩壊したメリケン波止場を保存) 毎年1月17日は、各地で追悼式典が行われている。 東遊園地(神戸市中央区三宮) - 発生時刻の5時46分と、その12時間前と12時間後の17時46分に黙祷を行う。広場には、6,000本の灯篭で模った「1.17」を北側の神戸市役所庁舎を正面に掲示される(この灯篭が消えた場合は、式典開催者は手をつけずに、訪れた人々にロウソクを渡して点火してもらっている)。灯篭は毎年若干の違いがあるものの、16日夕方から17日21時まで点火されている。この「阪神淡路大震災1・17のつどい」は2019年、初めて東京都内(日比谷公園)にも会場が設けられた。 昆陽池公園(伊丹市) - 発生時刻の12時間前に当たる16日17時46分に黙祷を行い、ロウソクを発生時刻に当たる17日5時46分まで点灯している。 学生で最多の死者が出た神戸大学では慰霊献花式を毎年執り行っている。 また、1995年(平成7年)より毎年12月に、鎮魂と追悼・街の復興を祈願して「神戸ルミナリエ」が開催されているが、近年は開催当初の意義から乖離する傾向にあり、その開催目的に疑問を抱く市民も増えつつある。中には「形だけの心の通わない“鎮魂”は死者に対しても恥ずかしいし、この際、ルミナリエは廃止してほしい」といった声も上がっている。 被災地が即急に復興できたのは多くの支援者・ボランティアのおかげであったため、被災者は今も支援者に感謝の気持ちを声明や催し物によって示している。また、神戸市はこの支援活動の教訓や当時の恩返しの意味を込めて新潟県中越地震やスマトラ島沖地震の時はどこよりも早く、多くの人材、資材などの援助を行ってきている。また、防災事業では、現在においてもこの震災を例に挙げられることが多く防災事業の原点となりつつある。 神戸市立小学校の音楽教諭である臼井真作曲・作詞の『しあわせはこべるように』という歌が復興の歌として取り上げられることが多く、各種学校団体をはじめ多くの追悼行事で歌われている(今では『しあわせ運べるように』として、Cooley High Harmonyや川嶋あいが歌っている)。 2011年に発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)では「神戸」という歌詞の一部を各地域の名称に変えて歌われる動きがある。7月25日には作詞作曲者である臼井自身がCDブックを刊行。このCDには「しあわせ運べるように〜ふるさとver.〜」が収録される。「神戸」を「ふるさと」に変えて、一部編曲をしたものである。臼井曰く、「『ふるさと』とは被災地の地名の総称」とのことである。このヴァージョンは2011年7月8日にニッポン放送「上柳昌彦・山瀬まみ ごごばん!フライデースペシャル」で流された。 また、期間を限った震災関連の展示会が開かれることもある(消防博物館など)。
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