詐欺の手口
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 17:18 UTC 版)
M資金詐欺は、昭和30年代から平成を超え令和 に至るまで60年以上、ほぼ同じ手口・内容の詐欺が繰り返されている。 M資金詐欺師が目を付けるのは、企業の経営者や実業家といった、それなりに社会的地位のある人々である。 M資金詐欺師は自らも特別な存在であると演出をして、「超大手企業の代表取締役」が「自分は特別に選ばれた存在で、それにふさわしい偉大な役割と権利がある」など強く信じる傾向があるため、その自尊心を巧みにくすぐり、「自分こそその幸運にあずかるにふさわしい人物だ」と固く信じ込ませ、「まさに名だたる企業がこの秘密資金を託されてきた。これで超一流企業の仲間入りだ」とこれまでの苦労を振り返らせ、感慨にふけさせ、多額の資金を詐取する。 M資金詐欺師は多種多様な演出 をして思考を麻痺させ、脚注に記したような虚実織り交ぜた話 で、被害者の欲求につけ入り、からめ取って行く。話を信じ、M資金の恩恵に与ろうとした被害者が金を用意して仲介者(詐欺師)に渡した後、その人物はそのまま行方不明になる、というケースが典型的である。時には契約の際に書かされた書類等をネタに、企業から金銭を脅し取る手口も存在する。なかには、すぐに姿を消さずに“通常では申込金の受付から審査まで数カ月かかるが、これを加速するための運動費を政治家に提供する”といった口実で、さらに金を引き出すM資金詐欺師もいる。 不透明な資金が色々あるおかげで詐欺口上はバリエーションが豊かである。「いわゆるM資金とは別」などと前置いてから、脚注に記した様々なバージョンの話 で詐欺を働いているケースが知られている。 また、規模や金額は小額ながら、近年流行している“架空請求詐欺”や“振り込め詐欺”といったケースで、「弁護士立会い」「裁判所命令」「和解手続き」「還付金」といった、多くの被害者にとって非日常的な用語を多用して、被害者の思考を麻痺させている点に、M資金詐欺の強い影響が窺える。 現在のM資金詐欺は小規模なものもあり、上記のような経営者を狙うもの以外に、経営者にM資金を渡すフィクサーをしているという話しをし、成功したら数パーセントの手数料(億単位)が入るという話を信じ込ませる、特殊口座に入る、金融庁の許可が必要、警視庁に行って犯罪履歴がないか調べられる、政治家が絡んでいる、一部上場企業の役員の名前が出てくるなどの、話の内容と手口は同じだが、一般人や老人に対しての詐欺話しとして使用され、もうすぐ手数料が入るから金を貸してほしいと何年にもわたり金をだまし取るケースもみられる。ずっと金が入金されない理由を作り引き延ばす。自分は今、金融庁に来ている、日本銀行に来ているなどと言い、実在する人物の名前を出し、詐欺被害者への連絡を細かくとることに特徴がある。すっかり騙された被害者は、長きにわたり金を取られ続ける。
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