舌背音とは? わかりやすく解説

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舌背音

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/27 13:19 UTC 版)

舌背音(ぜっぱいおん、英語: dorsal consonants)は舌端舌根を除くの広い面部分によって調音される子音舌面音(ぜつめんおん)ともいう。自然な口の構えで硬口蓋に面している部分を前舌面(まえじためん・ぜんぜつめん)、軟口蓋に面している部分を奥舌面(おくじためん)または後舌面(こうぜつめん)という。母音の分類に使われる前舌後舌と混同しないように注意。また前舌面とはいっても舌尖舌端よりは後ろであり、舌全体ではかなり中間に位置する。




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舌背音

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/16 08:52 UTC 版)

インド・ヨーロッパ祖語の音韻」の記事における「舌背音」の解説

詳細は「ケントゥム語とサテム語」を参照伝統的な再構によればカール・ブルークマンの『印欧語比較文法基礎英語版)』で示されもののように三系列軟口蓋音PIE再構される。 「口蓋化軟口蓋音」(単純に口蓋化音」とも)*ḱ, *ǵ, *ǵʰ (*k', *g', *g'ʰ / *k̑, *g̑, *g̑ʰ / *k̂, *ĝ, *ĝʰ のようにも書かれる) 「平軟口蓋音plain velars、定訳知らない)」(「純粋軟口蓋音pure velars、定訳知らない)」とも)*k, *g, *g 両唇軟口蓋音*, *, *gʷʰ (*ku̯, *gu̯, *gu̯hのようにも書かれる)⟨ʷ⟩および⟨u̯⟩は軟口蓋での調音唇音化加わっていることを示す。 これらの三つ実際発音はよく分からない。ある近年の説は、「口蓋化軟口蓋音」は実際にはただの軟口蓋音(*[k], *[g], *[ɡʱ])であり、一方で「平軟口蓋音」は口蓋垂音(*[q], *[ɢ], *[ɢʱ])あたりの更に後ろ発音されていたと主張する。もし両唇軟口蓋音が単に「平軟口蓋音」が両唇化したものであったとしたら、これらは*[], *[ɢʷ], *[ɢʷʱ]と発音されたはずだが、仮にサテム諸語第一に口蓋化軟口蓋音推移させてから両唇軟口蓋音と平軟口蓋音合流したとすれば両唇軟口蓋音が*[], *[ɡʷ], *[ɡʷʱ]であったとするのは口蓋垂説(uvular theory)においてもかんがえうる。 もうひとつの説は、PIE軟口蓋音は二系列平音と唇軟口蓋音)しかなく、口蓋化軟口蓋音サテム諸語での独自の変化であるというものであるサテム諸語では口蓋化軟口蓋音(*ḱ, *ǵ, *ǵʰ)がそれぞれの言語多様な破擦音もしくは歯擦音になるのと同時に両唇軟口蓋音(*, *, *gʷʰ)と平軟口蓋音(*k, *g, *)が合流するが、一部音韻論的環境で非口蓋化発生しケントゥム語写映形サテム語見られることをもたらす例えば、バルト・スラヴ語派アルバニア語派では(後者前舌母音が続かなければ口蓋化軟口蓋音共鳴音の前で非口蓋化される。サテム諸語においては一般的に軟口蓋音両唇軟口蓋音写映形区別することができないが、後続母音のu音化などによって、唇音化喪失した痕跡を持つ単語がある。ケントゥム諸語はそれに対して口蓋化軟口蓋音が平軟口蓋音合流する一方で両唇軟口蓋音区別保存されている。boukólos規則英語版)として知られる音韻法則によればサテム諸語における非口蓋化相似しケントゥム諸語両唇軟口蓋音が *w(もしくはその異音 *u)に隣接したときに非唇音化見せる。

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舌背音

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 21:59 UTC 版)

インド・ヨーロッパ祖語」の記事における「舌背音」の解説

印欧祖語の舌背音として、軟口蓋硬口蓋化音、軟口蓋音軟口蓋円唇化音3系統再建されている。これはケントゥム語派サテム語派比較により発見された。 軟口蓋硬口蓋化音(ḱ、ǵ、ǵʰの3種。「k'、g'、g'ʰ」、「k̑、g̑、g̑ʰ」、「k、ĝ、ĝʰ」とも表記される)は、口蓋化した軟口蓋閉鎖音([]、[])と推定されサテム語派では摩擦音となっている。 軟口蓋音(k、g、) 軟口蓋円唇化音(gʷʰ。「ku̯、gu̯、gu̯h」とも)。 上付きのʷは、円唇化、つまり軟口蓋閉鎖音調音する際に唇を丸めることを示している([]は、英語のqueenqu部分見られる音に似た音である)。ケントゥム語派では軟口蓋硬口蓋化音が軟口蓋音同化したのに対しサテム語派では軟口蓋円唇化音軟口蓋音同化した。 普通の軟口蓋音(k、g、)と口蓋化音や円唇化音との関係について、この普通の軟口蓋音が他の2種軟口蓋音からいつ独立した音素となったかが議論の的となっている。ある音声条件下では前者後者中和するため、結果ほとんどの場合で普通の軟口蓋音異音として出現するのである。この異音化がいつ起こるのかは正確に特定されていないが、sまたはuの後、もしくはrの前で中和が起こることが広く認められている。さて、印欧語学者の多数崩壊直前には既に3つの軟口蓋音系統認められていたとするが、一方コルトラントを含む少数学派は、普通の軟口蓋音サテム語派分岐後、その一部から発展したとしている。これは1894年アントワーヌ・メイエにより唱えられた説である。 印欧祖語時点で既に3系統軟口蓋音弁別されていたとする説の証拠としては、アルバニア語アルメニア語ルウィ語がしばしば言及されるアルメニア語アルバニア語では普通の軟口蓋音軟口蓋円唇化音一定状況下では弁別され、またルウィ語には3系統軟口蓋音反映されとみられる3種類の音素z(<*ḱ、おそらく[ts])、k(<*k)、ku(<*、おそらく[])が存在するのである。しかし、一方コルトラントはこの証拠重要性疑問呈している。()普通の軟口蓋音単独音素となった時期については、音素分析され種々の異音が本来どのように分布していたかが類推展開では不明瞭になるうえ、またこの問題確固とした結論出せるほど直近の事例ではなく、また証拠十分に存在しない。そのため、この論争終局的解決する見込みはない。

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