舌尖音
舌尖音
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 21:59 UTC 版)
「インド・ヨーロッパ祖語」の記事における「舌尖音」の解説
再建により、t, d, dʰの3つの歯音が一般に同定されている。これらの子音は包括記号Tで表される。 ある研究者は、子音クラスターTKが祖語の段階で音位転換を経てKþとなっていると主張している。根拠は以下の通り。 「大地」を意味する語はヒッタイト語で"dagan"、ギリシア語で"khthōn"である。祖語では*ǵʰðōm、その古形は*dʰǵʰomsと再建される。 「怪物」を意味する語はヒッタイト語で"hartagas"、ギリシア語で"arktos"である。祖語では*hrkþos、その古形は*hrtgosと再建される。 一方、*dʰégʷʰ(「焼く」の意、ゲルマン祖語で昼を表す"*dagaz"と同根)のサンスクリット語での語形は、「彼は焼く」とするときkṣā́yat(< *dʰgʷʰ‐éh₁‐)なのに対し、「焼かれている」とするときdáhati(< *dʰégʷʰ‐e‐)である。これについては、母音交替の程度によって音位転移を経る語形と経ない語形が存在するとしている。
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