自由権
別表記:自由権的基本権
「自由権」とは、基本的人権のひとつであり「個人の自由が国家によって侵害されることのない権利」のことである。「自由権的基本権」ともいう。日本では「日本国憲法」によって保証されている。
「自由権」は、他の人権(たとえば参政権)の前提にもなっており、「人権」の中でも根底に位置づけられる権利である。
「自由権」の概念は、古くはイギリスの権利の章典(1689年)において原型が見られる。アメリカの独立宣言(1776年)やフランスの人権宣言(1789年)などを経て洗練されつつ、今日に至る。
「自由権」は、「平等権」や「社会権」と並んで「基本的人権」を構成する。基本的人権は近代以降の憲法において不可欠の要素として重んじられている。
あらゆる人権の中でも「自由権」が最重視されている理由は、「自由」という概念が「権利」とほぼ不可分であるからである。自由を奪うことは、すなわり権利を奪ったり侵害したりすることにつながる。自由を保証しようとすれば、そのすべてを認める他ないことになる。
「自由権」は、「精神的自由・身体的自由・経済的自由」のように区分して扱われることもある。また、「思想や良心の自由」「信教の自由」「学問の自由」「職業選択の自由」のように具体的内容が挙げられることもある。
日本国憲法に明記されている自由権としては、思想及び良心の自由(日本国憲法第19条)・信教の自由(日本国憲法第20条)・集会の自由(日本国憲法第21条)・居住移転の自由(日本国憲法第22条)・学問の自由(日本国憲法第23条)などがある。
「身体的自由権」とは
「身体的自由権」とは、自由権の一つで人身の自由とも呼ばれている。法律的な手続きによらなければ何人も逮捕・拘禁されないことがこの権利によって保証されている。日本国憲法の第11条及び第31から40条に記載されている。「経済的自由権」とは
「経済的自由権」とは、自由権の中の一つで、人間の経済的な活動を保証するものである。個人が自立するためには経済活動が不可欠となるので、国家からの干渉を制限する目的で制定された。じゆう‐けん〔ジイウ‐〕【自由権】
自由権(じゆうけん)
自由権
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/08 04:40 UTC 版)
自由権(じゆうけん)は、基本的人権の一つであり[1]、原則として[注釈 1]国家から制約も強制もされず、自由に物事を考え、行動できる権利である。
注釈
出典
- ^ "自由権". 日本大百科全書. コトバンクより2022年4月8日閲覧。
- ^ a b c d e f 小嶋和司、立石眞『有斐閣双書(9)憲法概観 第7版』有斐閣、2011年、93頁。ISBN 978-4-641-11278-0。
- ^ 小嶋和司、立石眞『有斐閣双書(9)憲法概観 第7版』有斐閣、2011年、93-94頁。ISBN 978-4-641-11278-0。
- ^ a b c d 樋口陽一、佐藤幸治、中村睦男、浦部法穂『注解法律学全集(2)憲法II』青林書院、1997年、10頁。ISBN 4-417-01040-4。
- ^ 樋口陽一、佐藤幸治、中村睦男、浦部法穂『注解法律学全集(2)憲法II』青林書院、1997年、11頁。ISBN 4-417-01040-4。
- ^ 基本的人権の保障に関する調査小委員会 (2004年). “「公共の福祉(特に、表現の自由や学問の自由との調整)」に関する基礎的資料” (PDF). 衆議院憲法調査会事務局. pp. 1-2. 2014年10月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月15日閲覧。
- ^ 奥平康弘「人権体系及び内容の変容」『ジュリスト』第638巻、有斐閣、1977年、243-244頁。
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- ^ 樋口陽一、佐藤幸治、中村睦男、浦部法穂『注解法律学全集(1)憲法I』青林書院、1994年、177-178頁。ISBN 4-417-00936-8。
- ^ 樋口陽一、佐藤幸治、中村睦男、浦部法穂『注解法律学全集(2)憲法II』青林書院、1997年、104頁。ISBN 4-417-01040-4。
- ^ 樋口陽一、佐藤幸治、中村睦男、浦部法穂『注解法律学全集(2)憲法II』青林書院、1997年、104-105頁。ISBN 4-417-01040-4。
- ^ a b c 樋口陽一、佐藤幸治、中村睦男、浦部法穂『注解法律学全集(2)憲法II』青林書院、1997年、141頁。ISBN 4-417-01040-4。
- ^ a b c 樋口陽一、佐藤幸治、中村睦男、浦部法穂『注解法律学全集(1)憲法I』青林書院、1994年、177頁。ISBN 4-417-00936-8。
- ^ a b c 樋口陽一、佐藤幸治、中村睦男、浦部法穂『注解法律学全集(1)憲法I』青林書院、1994年、178頁。ISBN 4-417-00936-8。
- ^ 樋口陽一、佐藤幸治、中村睦男、浦部法穂『注解法律学全集(2)憲法II』青林書院、1997年、140頁。ISBN 4-417-01040-4。
- ^ 樋口陽一、佐藤幸治、中村睦男、浦部法穂『注解法律学全集(2)憲法II』青林書院、1997年、141-142頁。ISBN 4-417-01040-4。
自由権
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 04:43 UTC 版)
国家の介入を排除して個人の自由を保障する権利。国家からの自由ともいわれる。消極的権利。身体の自由、精神の自由、経済活動の自由。
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