第二種永久機関とは? わかりやすく解説

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永久機関

(第二種永久機関 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/22 10:17 UTC 版)

永久機関(えいきゅうきかん、: perpetual motion machine)とは、外部からエネルギーを受け取ることなく、外部に仕事永久に行い続ける装置である。




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第二種永久機関

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 00:09 UTC 版)

永久機関」の記事における「第二種永久機関」の解説

熱力学第一法則エネルギー保存の法則)を破らずに実現しようとしたのが第二種永久機関(だいにしゅえいきゅうきかん、英: perpetual motion machine of the second kind)である。仕事外部取り出すエネルギー外部から供給する必要ができてしまう。そこで仕事を行う部分装置内に組み込んでしまい、ある熱源から熱エネルギー取り出しこれを仕事変換し仕事によって発生した熱を熱源回収する装置考えられた。このような装置があればエネルギー保存の法則破らない永久機関となる。 熱エネルギー回収を行うので熱源周囲温度維持される。そのため空気海水自体持っている熱を取り出して仕事をし、他に熱的な影響与えない機械ともいえる。例えば、外部温度20として、装置に熱を取り込み仕事をさせる。その時外部温度20から19に下がる。装置仕事をさせると熱が発生するので、その熱を外部返すことで、外部温度19から20に戻る。 例として、海水の熱により推進する仮想的な船の例で説明する。この船では、エネルギー保存の法則により、取り出した運動エネルギー温度下がった海水排水が出る。これを船の近傍捨てるとする。一方では、船の推進摩擦による熱が発生し、船の周り温水ができる。スクリューで海のかき回すと、その冷水温水混じり周囲温度均一になり、他に(熱という意味での)影響与えないように見える。ただし、加速時には船の近傍海水周りより冷たくなり、減速時には船の近傍海水周りより熱くはなる。 仮に第二種永久機関が実現可能だとしても、定義よりエネルギー保存破らないため、その機械自体持っているエネルギー外部取り出してしまえば、いずれその機械停止する本機械は「熱効率100%熱機関であって、その機械自体エネルギー源として使用できるわけではない。 第二種永久機関を肯定する実験結果得られておらず、実現否定されている。第二種永久機関の否定により、「熱は温度の高い方から低い方に流れる」という熱力学第二法則エントロピー増大の原理)が確立した。これによってすべての熱機関において最大熱効率1.0100%以上になることは決してないため、仕事によって発生したすべての熱を熱源回収する事は不可能であるということになり、第二種永久機関の矛盾までもが確立される至った外部温度20から19下げて外部から熱をもらう場合、その装置温度19よりも低く例え10である必要がある装置仕事をさせた後、装置温度10から15上昇したとしても、15装置から19外部に、熱を移動させることは普通はできない。行うとしたら、その熱の移動エネルギーが必要となる。そして装置仕事を行うにはエネルギー使って温度19以下に保つ必要があり、ゆえに熱効率100%未満になる。 前述海水の熱により推進する仮想的な船の例では、「加速時に船の近傍海水周りより冷たくなり、減速時に船の近傍海水周りより熱くなる」という、熱力学第二法則反す現象発生する無論、これは現実には起こりえない。 第二種永久機関に関する思考実験としては以下のパラドックス提案された。これらの思考実験について検討することは、熱力学の法則をよりよく理解するものとなる。 マクスウェルの悪魔 ある2つ小さな部屋があり、その間小さな窓で仕切られている。片方部屋には分子レベル小さな悪魔がおり、その悪魔はその窓を開閉できる。その悪魔は、自分の部屋速度速い分子飛び込んで来たときと速度の遅い分子が出るときに窓を開けそれ以外場合には窓を閉めるその結果片方部屋では速度の遅い分子のみ、もう片方部屋速度速い分子のみに分けられ自動的に2つ温度に差が生じる。悪魔自体情報処理速度観測データに関するメモリ利用更新)を行っており、その処理(メモリ更新の際のデータ削除)にエントロピー増大が必要であるとされ、このパラドックス否定されている。 ファインマンの「ブラウン・ラチェット」 この装置は、周囲個々分子ランダムな運動より、選択的にある方向分子運動量のみの流れ取り出し推進する。実はこの装置は、周囲温度より低い場合にのみブラウン運動からエネルギー引き出すことができる。生物分子モーター原理でもある。

※この「第二種永久機関」の解説は、「永久機関」の解説の一部です。
「第二種永久機関」を含む「永久機関」の記事については、「永久機関」の概要を参照ください。

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第二種永久機関

出典:『Wiktionary』 (2021/08/14 10:50 UTC 版)

名詞

永久機関だいにしゅえいきゅうきかん

  1. ある熱源から熱エネルギー取り出し、これを全て仕事変えて他に何の変化残すことなく周期的にはたらく装置

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