神戸製鋼所のリスホルム・スミス式変速機
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「国鉄キハ44500形気動車」の記事における「神戸製鋼所のリスホルム・スミス式変速機」の解説
神戸製鋼所は、1936年にスウェーデンのユングストローム社 (Ljungströms Angturbin AB)からリスホルム・スミス式のDFR1.15液体変速機の製造ライセンスを取得した。電磁遠隔操作が可能な変速機であり、日本の鉄道における内燃車両の分野でも、機械式、電気式に次ぐ第3の伝達方式として取り上げられることになる。 神戸製鋼所は「神鋼式流体自動変速機DF1型」(DF15とも)と称するリスホルム・スミス式変速機を、合計4台製作した。うち2台は日本陸軍に戦車用として引き渡され、残り2台が鉄道省に提供されることになった。 鉄道省大阪鉄道局では、当時の標準型機械式ガソリンカーであるキハ41000形2両にこの変速機と重連総括制御用の回路を搭載して試験車とした。1936年以降姫路機関区などにおいて長期にわたる実用化研究を進め、関西本線、和歌山線、片町線、姫新線などで試運転が重ねられた。故障が続発したものの、改良を重ねた末に一応の信頼性を確保した。1940年10月には姫新線で試験運転を行い、良好な成績を収めている。また、この大阪鉄道局による試験とは別に、鉄道省本省により1936年に西成線でキハ42000形2両におなじく神戸製鋼所製リスホルム・スミス式変速機が搭載され、重連総括制御による運行がなされたとする文献もある。 だが日中戦争勃発以降の戦時体制下で燃料事情は逼迫しつつあり、太平洋戦争開戦と前後して気動車に関する技術革新はいったん頓挫する。キハ41000形に積まれていたDF1は取り外され、戦後に至るまでその存在は忘れられていた。
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