直江津地区
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 09:59 UTC 版)
「日本製鉄東日本製鉄所」の記事における「直江津地区」の解説
1934年、日本ステンレス株式会社として住友財閥系の資本(中央電気工業)を主として最初期のステンレス鋼国産化拠点として設立されて以来、1960年代より後続の新鋭製造拠点に汎用量産品種を譲りながらも、高付加価値化、新規事業開拓に注力・挑戦し、日本のステンレス鋼産業、チタン産業における独自の地位を保ち続けている(旧官営八幡製鐵所、旧日本金属工業衣浦製造所と並ぶ日本最初期のステンレス製造拠点)。 直江津の地は、日本海側の豊富な積雪を背景とした水力発電が戦前より栄えており豊富な電力供給を背景として、電気炉による鋳造を中心として創業が開始された(近隣には信越化学工業、三菱ケミカル等、電気化学工業由来の製造拠点が多数所在)。 製品圧延の製造も開始し、最盛期は薄板、厚板、鍛鋼品、棒鋼、形鋼、鋳物に至る広範囲のステンレス製品を製造し、日本ステンレスの創業の地、マザー製造拠点の位置付けであった。 1960年代急速なステンレス鋼の需要拡大と技術革新が進む中、各社は競って設備拡大、日本は世界最大級のステンレス鋼生産国となった。こうした流れは日本ステンレスも同様であり、新鋭製造拠点(現・日鉄ステンレス鹿島製造所)の設置に至った。 その後二度のオイルショックを経て高度成長期が終わり日本全体で需要拡大が落ち着き過剰設備が顕在化する中、直江津から新鋭拠点への汎用量産品種の集約移管を加速。日本ステンレスは、直江津の高付加価値化を鮮明に打ち出し、1960年代からのチタン製品に加え1980年代からは、ステンレス精密圧延品・クラッド鋼・精密加工(フォトエッチング)にも挑戦。現在の主力製品に結実する試行錯誤を重ねてきた。 現在は、日本製鉄のチタン事業部の製造拠点として、チタン・ニッケル・クラッド鋼・ステンレス鋼(精密圧延品・形鋼)を中心とした特殊鋼・非鉄金属を製造しており、自動車(エンジン・燃料電池関連)、土木建築、プラント、航空機から、電子部品・精密機器まで、重厚長大から精密分野にいたる幅広い産業分野へ高付加価値製品を供給している。 2018年、光チタン部より意匠性チタン製造(TranTixxiiブランド)の一部工程の移管を受けさらなる高付加価値品特化を推進。さらに当拠点固有技術を生かしたステンレス精密圧延品の製品群がブランド化(FYGRASブランド)された。 2019年4月より、ステンレス鋼精密圧延品の日鉄ステンレスへの営業譲渡により、同製品の日鉄ステンレスへのOEM供給拠点という位置づけとなった(FYGRASブランドも日鉄ステンレスへ移管)。
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