海賊対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/16 03:57 UTC 版)
2000年、東京で海賊対策の国際会議が開催され、2001年からは日本の国際協力機構が主体となって周辺国の関係者を集めた海賊対策研修が実施されている。 海賊行為の取り締まりには、海上、航空パトロールに加えて、さまざまな技術が用いられている。例えば、IMBの2006年の年次報告書では、2004年7月以降は積載500トン以上の船は警報システム、とりわけリアルタイムで近くの船舶を表示するシステムを備えざるを得なくなったと報告されている。また、ASEAN船主連盟(FASA)は、海賊行為の発生位置、襲撃方法、結果についてのデータベースの提供を開始している。さらに2006年には海賊対策のため、日本主導で東南アジアを主体とした14か国によるアジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)が締結され、この下部機関としてシンガポールに情報共有センター(ISC)が作られている。また、2006年には日本がインドネシアに対して巡視船を3隻、無償供与することを決定。2008年にインドネシア海上警察に引き渡され運用が始められている。 海賊対策には必ずしも大国の協力は歓迎されない。例えば2004年にアメリカ合衆国が海峡警備を申し出ているが、インドネシアとマレーシアはこれに反対している。それでもインドネシアは自国に十分な海賊対策能力が無く、2006年にはインド海軍とインド沿岸警備隊の協力を得る合意を結んでいる。インドは、マラッカ海峡警備のためにアンダマン・ニコバル諸島に無人航空機の基地を設け、アンダマン海の警戒に当たっている。中国もミャンマーからココ島(英語版)の軍事使用権を得て警戒に当たっている。 また、日本では2011年12月に武器輸出三原則が緩和されたため、武装巡視艇を友好国に供与することが可能になったので、政府は東南アジア各国に、海上保安庁の中古巡視艇の提供を検討している。 マラッカ海峡を通らなくて済むよう、クラ地峡に運河を通す事業も提起されているが、周辺国の思惑で、中々実現しないままである。 2017年、インドネシアの海賊件数は43件となり、ここ2年で半数以下に減少した。
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