海賊や本土からのサムライたちが襲ってきたときの身の周りの古武道道具
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/28 23:39 UTC 版)
「知念宏」の記事における「海賊や本土からのサムライたちが襲ってきたときの身の周りの古武道道具」の解説
沖縄には多くの古武道武器がある。 サイ サイは沖縄に到着する前は、インド、タイ、中国、など他のアジア諸国ですでに使用されていた。サイは、琉球王国時代には大筑(ウフチク、警察署長)や筑佐事(チクサジ、刑事)などが携帯し、犯人逮捕や群衆の誘導に使われたとされる。打つ、突く、受ける、引っかける、投げる等の技法によって用いられる。 ティンベー・ローチン ティンベーと言われる海亀の甲・籐製・木製・鉄製などの楯を左手に持ち、ローチンと言われる短槍を右手に持って攻防に備える。ティンベーで相手を目隠し状態にし、その隙にローチンで攻撃する所に特色がある。琉球古武術では、ティンベーとローチンを組み合わせてティンベー術と呼ぶ。武術に於ける捌き・受け(押し・流し)・攻撃の所作を流れるように無駄なく所作するので非常に高度な技術体系となっている。 エーク エークは、沖縄の漁師が使う櫂(かい)である。両手で持つので棒術と若干似ているが、その形状から「切る」「砂を掛ける」という独自の技法がある。浜辺での戦いを想定して、海水ないし砂をかけて目つぶしをし、すかさず重量感のあるエークで敵を叩き斬るという想定である。エークは棒より扱いづらいが、習熟すれば破壊力のある実践的な武器となる。 トンファ 中国武術の武具である「枴(カイ)」が、琉球王国(沖縄)に伝播して変化したもの。 丁字型の短い棒ながら、多彩な動きに合わせられる優れた近接武器である。トンファー打突武器兼防具であり。旋棍とも呼ばれる。アメリカ合衆国の警察では、刃物などへの防御力に優れた「握り付き警棒」としての意味合いが強く、暴動や暴漢の鎮圧や無力化に用いる攻守一体の装備としてトンファーバトンは、「打つ」「突く」「払う」「絡める」などの様々な用法を習熟することにより、極めて合理的かつ有効な装備である。琉球古武術のトンファー術は、釵術と同じく一対のトンファーをそれぞれの手に持って攻防に備える。トンファー術には空手における裏拳・肘系の技術が含まれている。特に逆手持ち用法は、釵術同様に空手術の受け・突きがそのまま反映される形となっており、空手術と武器術の密生な関係性がある。 琉球古武道における主要な4種類の武具(棒、サイ、ヌンチャク、トンファ)は外国人への古武道セミナーで多く披露される。 スルジン 鉄が鎖の形状をとれば、柔らかく折れて自在に曲がる強力な武器となる。その特長を武器として活用したものが、例えば「鎖鎌」であるが、スルジンの場合はその鎌に替えて鋭利な手裏剣等を取り付けたものと言うことができる。言わば、紐付き手裏剣と紐付き分銅を(紐ではなく)鎖で合体させたものがスルジンということになる。手裏剣と分銅を鎖で繋ぐというアイデアにより、その攻撃方法にも様々なバリエーションが生まれた。例えば、分銅鎖で相手の武器や首を絡め、片方の鋭利な手裏剣で突いたり、または逆に手裏剣鎖で絡めて片方の鎖分銅で打つ、あるいは鎖を滑らせ分銅や手裏剣を伸ばして突く、または手裏剣や分銅を投げる、はたまた両手で鎖を強く張り相手の攻撃を受けて反撃するなど多様な技法があります。琉球古武術で使用するスルジンには、短スルジンと長スルジンの二種類がある。
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