日本での導入例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 08:11 UTC 版)
「中空軸平行カルダン駆動方式」の記事における「日本での導入例」の解説
東洋電機製造が、日本初の可撓継手による平行駆動装置2種類(ブラウンボベリのディスク方式にヒントを得た、たわみ板による中空軸カルダンとWN継手に類似の中実軸歯形継手)を1952年11月に京阪神急行電鉄(現・阪急電鉄)京都線751で現車試験をした。この試験の結果を受け、最初の実用中空軸平行カルダン駆動装置を1953年6月に完成した京阪電気鉄道1800型1801用として1セット納入した。駆動機構はモーター側ゴムと歯形継手、ピニオン側にたわみ板継手を使用した。1954年には世界初の1,067mm狭軌用としてたわみ板継手式中空軸カルダン駆動装置を名古屋鉄道と南海電気鉄道に納入し、同年路面電車用として西日本鉄道福岡市内線に投入した1000形に採用された。 1957年には日本国有鉄道(国鉄)モハ90系の駆動装置として採用された。三菱電機がアメリカ企業のウェスティングハウス・エレクトリックのライセンシーとして製造したWN駆動方式に比べ、軸方向の寸法を最小で済ませることができてスペース効率に優れることと、ギアボックスと電動機の電機子軸の相対位置の変動幅を大きく取れ、劣悪な軌道条件での追従性に優れることから、狭軌の鉄道事業者を中心に普及した。 その後たわみ板継手を2個組み合わせた形状のTD(Twin Disc)継手と中実軸の主電動機を用いる「TD平行カルダン駆動方式」が開発された。一方でVVVFインバータ制御と誘導電動機の組み合わせが普及した。結果として主電動機の小型化が推進されたことから中空軸平行カルダン駆動の優位性は相対的に低下し、近時の新系列の電車で本方式を採用する例は殆ど見られなくなった。
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