愛国心についてとは? わかりやすく解説

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愛国心について

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 04:28 UTC 版)

三島由紀夫」の記事における「愛国心について」の解説

愛国心」という言葉対し、「愛妻家」という言葉似た好かない感触を持つ三島は、その言葉官製イメージが強いとして自分がのがれやうもなく国の内部にゐて、国の一員であるにもかかはらず、その国といふものを向こう側対象置いて、わざわざそれを愛するといふのが、わざとらしくてきらひである〉とし、キリスト教的な「愛」(全人類的な愛)という言葉そぐわず日本語の「恋」や「大和魂」で十分であり、〈日本人情緒的表現の最高のもの〉は「愛」ではなくて「恋」であると主張している。 「愛国心」の「愛」の意味が、もしもキリスト教的な愛ならば〈無限定無条件〉であるはずだから、「人類愛」と呼ぶなら筋が通るが、〈国境を以て閉ざされた愛〉である「愛国心」に使うのは筋が通らないとしている。 アメリカ合衆国とは違い日本人にとって日本は〈内在的即自的であり、か限定的個別的具体的〉にあるものだと三島主張し、〈われわれはとにかく日本恋してゐる。これは日本人日本対す基本的な心情在り方である〉としている。 恋が盲目であるやうに、国を恋ふる心は盲目であるにちがひない。しかし、さめた冷静な目のはうが日本をより的確に見てゐるかといふと、さうも言へないところに問題がある。さめた目が逸したところのものを、恋に盲ひた目がはつきりつかんでゐることがしばしばあるのは、男女の仲と同じである。 — 三島由紀夫愛国心こうした日本人中にある内在的即自的なものを大事にする姿勢相通じる考え方は、三島18歳時に東文彦出した書簡中にも見られ、〈我々のなかに『日本』がすんでゐないはずがない〉として以下のように述べている。 「真昼」―― 「西洋」へ、気持の惹かされることは、決し無理に否定さるべきものではないと思ひます。真の芸術芸術家の「おのづからなる姿勢」のみから生まれるものでせう。近頃近代の超克といひ、東洋へかへれ、日本へかへれといはれる。その主唱者立派な方々ですが、なまじつかの便乗者や尻馬にのつた連中の、そここゝにかもし出してゐる雰囲気の汚ならしさは、一寸想像のつかぬものがあると思ひます。我々は日本人である。我々のなかに「日本」がすんでゐないはずがない。この信頼によつて「おのづから」なる姿勢お互いに大事にしてまゐらうではござひませんか。 — 平岡公威東文彦宛て書簡」(昭和18年3月24日付)

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愛国心について

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 09:13 UTC 版)

大門実紀史」の記事における「愛国心について」の解説

大門は、大逆事件幸徳事件)において処刑され社会主義者幸徳秋水から、次の言葉、「わたくしは、いわゆる愛国心が、純粋な同情惻隠の心でないことをかなしむ。なんとなれば愛国心愛するところは、自分国土かぎられているからである。自己の国民かぎられているからである。他国愛さないで、ただ自国愛する者は、他人愛さずして、ただ自己の一身愛するものであるうわついた名誉を愛すのである利益独占愛すのである。公正といえるであろうか。私ではない、といえるだろうか」(『廿世紀怪物帝国主義神埼清訳)という文章引用し、「国を愛さない人はいない。しかし、ほんとうに国を愛するとはどういうことなのか、ふたたび真剣に考えなければならない時代にきています」と述べている。また大門は、ナショナリスト石原慎太郎揶揄しつつ、筒井康隆の『アホの壁』を引用し愛国心の持つ、「過剰反応起こしやすいという弱点」を指摘している。

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