幻想曲集とは? わかりやすく解説

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シューマン:幻想曲集

英語表記/番号出版情報
シューマン:幻想曲集Fantasiestücke Op.73作曲年1849年 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 イ短調 a moll3分00 No Image
2 イ長調 A dur3分00 No Image
3 イ長調 A dur4分00 No Image

作品解説

2008年7月 執筆者: 齊藤 紀子

 《アダージョとアレグロ 作品70》に着手する前、1849年2月11日から僅か3日間で作曲された。シューマンは、この曲が完成した翌日から、《アダージョとアレグロ 作品70》にとりかかっている。当初クラリネットピアノのために構想練られたが、出版に際して出版社クラリネット代わりにヴァイオリンもしくはチェロ演奏して良い記した1850年1月14日初演されたが、《アダージョとアレグロ 作品70》と同様にそれ以前に、非公開初演されている。シューマン自身の家にて、クロートクラリネットクララ・シューマンピアノで、1849年2月18日のことである。

 3つの小品から構成されているが、各曲テーマには関連性みられる

第1曲目 やさしく表情豊かに イ短調 4分の4拍子
 3部形式基調として書かれている。この曲は、ピアノクラリネットないしはヴァイオリンチェロ)のメロディー引き出すようにして始められる。このメロディーは、甘く語りかけるのような趣がある。ちょうど同じ頃に作曲された《アダージョとアレグロ 作品70》のアダージョ部分のように、感情起伏そのまま表すかのような半音階的音の進行多用されている。どこか、シューマン歌曲通じるものが感じられる

第2曲目 活き活きと、軽快に イ長調 4分の4拍子
 コーダを伴う3部形式書かれている冒頭クラリネットないしはヴァイオリンチェロ)が提示する起伏富んだメロディーが、この曲の全体支配している。中間部では、このメロディーを覆うようにして、装飾がたくさ施される。そして、くっきりとした形で再びメロディー提示された後は、「少しずつ静かに」と指示された、やや長めコーダへと受け継がれていく。
 この曲では、クラリネットないしはヴァイオリンチェロ)とピアノが1曲目にも増して親密言葉を交わす

第3曲目 急速に活気をもって 嬰ヘ短調 4分の4拍子
 コーダを伴う3部形式書かれている冒頭添えられ発想標語示されている通り活気満ちた音楽進められる。それは激しく緊迫感さえみなぎっているように感じられる。この曲のテーマは、クラリネットないしはヴァイオリンチェロ)による上行形音階特徴的である。中間部になると曲想一転し哀愁が漂う。この曲も、第2曲目同様に、やや長めコーダがあり、哀愁から一息高揚してこの曲集が幕を閉じる。

 なお、シューマンは、独奏ピアノのためにも《幻想小曲集 作品12》を作曲している。


ブラームス:幻想曲集

英語表記/番号出版情報
ブラームス:幻想曲集Fantasien Op.116作曲年1892年  出版年1892年  初版出版地/出版社Simrock 

作品概要

作品解説

2007年8月 執筆者: 和田 真由子

3つの奇想曲と、4つ間奏曲からなる奇想曲は、情熱的な性格をもち、間奏曲夢想的な性格をもっている。
当時ブラームス59歳、《作品116》は、晩年になってはじめての小品集である。特に《作品116》~《作品119》は、ブラームス集大成ともいえる傑作になっている

1892年作曲された。多くが、三部形式の、簡素わかりやすいでかかれている。
しかしながら、その作曲技巧はより洗練され精巧なものになっている
霊感をたたえつつも、晩年孤独感諦観感じさせる作品が多い。
幻想曲」というタイトルは、特に深い意味はなく、形式とらわれないという、自由な意味で用いられていると考えていだろう

1.奇想曲 ニ短調 / Nr.1 "Capriccio"
プレスト・エネルジーコ エチュード風の作品

2.間奏曲 イ短調 / Nr.2 "Intermezzo"
アンダンテ 幻想的な雰囲気をもつ。三部形式

3.奇想曲 ト短調 / Nr.3 "Capriccio"
アレグロ・パッショナート  情熱的な第一部と、荘重な中間部対比をなしている。また3つの動機たくみに用いられ、曲の統一感をつくりあげている。この曲は、ブラームス晩年技巧をよく示していることで有名である。

4.間奏曲 ホ長調 / Nr.4 "Intermezzo"
アダージョ 夜想曲風の作品冒頭の、断片的な2つ動機意義深い

5.間奏曲 ホ短調 / Nr.5 "Intermezzo"
アンダンテ・コン・グラツィア・エディンティミッシモ・センティメント 
和声的工夫対位法みられる強拍に音をおかないことにより、独特の雰囲気うみだしている。

6.間奏曲 ホ長調 / Nr.6 "Intermezzo"
アンダンティーノ・テネラメンテ 対位法的部分と、無言歌風の部分からなる。優しい雰囲気をもった曲。

7.奇想曲 ニ短調 / Nr.7 "Capriccio"
アレグロ・アジタート 右手と左手逆に進行し印象的である。


シンディング:幻想曲集

英語表記/番号出版情報
シンディング:幻想曲集Fantaisies Op.118作曲年1914年 



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