シューマン:幻想曲集
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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シューマン:幻想曲集 | Fantasiestücke Op.73 | 作曲年: 1849年 |
作品解説
《アダージョとアレグロ 作品70》に着手する前、1849年2月11日から僅か3日間で作曲された。シューマンは、この曲が完成した翌日から、《アダージョとアレグロ 作品70》にとりかかっている。当初、クラリネットとピアノのために構想が練られたが、出版に際して、出版社がクラリネットの代わりにヴァイオリンもしくはチェロで演奏しても良いと記した。1850年1月14日に初演されたが、《アダージョとアレグロ 作品70》と同様に、それ以前に、非公開に初演されている。シューマン自身の家にて、クロートのクラリネットとクララ・シューマンのピアノで、1849年2月18日のことである。
3つの小品から構成されているが、各曲のテーマには関連性がみられる。
第1曲目 やさしく、表情豊かに イ短調 4分の4拍子
3部形式を基調として書かれている。この曲は、ピアノがクラリネット(ないしはヴァイオリンかチェロ)のメロディーを引き出すようにして始められる。このメロディーは、甘く語りかけるかのような趣がある。ちょうど同じ頃に作曲された《アダージョとアレグロ 作品70》のアダージョの部分のように、感情の起伏をそのまま表すかのような半音階的な音の進行が多用されている。どこか、シューマンの歌曲に通じるものが感じられる。
第2曲目 活き活きと、軽快に イ長調 4分の4拍子
コーダを伴う3部形式で書かれている。冒頭でクラリネット(ないしはヴァイオリンかチェロ)が提示する起伏に富んだメロディーが、この曲の全体を支配している。中間部では、このメロディーを覆うようにして、装飾がたくさん施される。そして、くっきりとした形で再びメロディーが提示された後は、「少しずつ静かに」と指示された、やや長めのコーダへと受け継がれていく。
この曲では、クラリネット(ないしはヴァイオリンかチェロ)とピアノが1曲目にも増して親密に言葉を交わす。
第3曲目 急速に、活気をもって 嬰ヘ短調 4分の4拍子
コーダを伴う3部形式で書かれている。冒頭に添えられた発想標語に示されている通り、活気に満ちた音楽が進められる。それは激しく、緊迫感さえみなぎっているように感じられる。この曲のテーマは、クラリネット(ないしはヴァイオリンかチェロ)による上行形の音階が特徴的である。中間部になると曲想が一転し、哀愁が漂う。この曲も、第2曲目と同様に、やや長めのコーダがあり、哀愁から一息に高揚してこの曲集が幕を閉じる。
なお、シューマンは、独奏ピアノのためにも《幻想小曲集 作品12》を作曲している。
ブラームス:幻想曲集
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ブラームス:幻想曲集 | Fantasien Op.116 | 作曲年: 1892年 出版年: 1892年 初版出版地/出版社: Simrock |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 第1番 奇想曲 ニ短調 "Capriccio" d moll | 3分00秒 | No Image |
2 | 第2番 間奏曲 イ短調 "Intermezzo" a moll | 3分30秒 | No Image |
3 | 第3番 奇想曲 ト短調 "Capriccio" g moll | 3分30秒 | No Image |
4 | 第4番 間奏曲 ホ長調 "Intermezzo" E dur | 4分30秒 | No Image |
5 | 第5番 間奏曲 ホ短調 "Intermezzo" e moll | 3分00秒 | No Image |
6 | 第6番 間奏曲 ホ長調 "Intermezzo" E dur | 3分30秒 | No Image |
7 | 第7番 奇想曲 ニ短調 "Capriccio" e moll | 2分30秒 | No Image |
作品解説
3つの奇想曲と、4つの間奏曲からなる。奇想曲は、情熱的な性格をもち、間奏曲は夢想的な性格をもっている。
当時ブラームスは59歳、《作品116》は、晩年になってはじめての小品集である。特に《作品116》~《作品119》は、ブラームスの集大成ともいえる傑作群になっている。
1892年に作曲された。多くが、三部形式の、簡素でわかりやすい形でかかれている。
しかしながら、その作曲技巧はより洗練され、精巧なものになっている。
霊感をたたえつつも、晩年の孤独感、諦観を感じさせる作品が多い。
「幻想曲」というタイトルは、特に深い意味はなく、形式にとらわれないという、自由な意味で用いられていると考えてよいだろう。
1.奇想曲 ニ短調 / Nr.1 "Capriccio"
プレスト・エネルジーコ エチュード風の作品。
2.間奏曲 イ短調 / Nr.2 "Intermezzo"
アンダンテ 幻想的な雰囲気をもつ。三部形式。
3.奇想曲 ト短調 / Nr.3 "Capriccio"
アレグロ・パッショナート 情熱的な第一部と、荘重な中間部が対比をなしている。また3つの動機がたくみに用いられ、曲の統一感をつくりあげている。この曲は、ブラームスの晩年の技巧をよく示していることで有名である。
4.間奏曲 ホ長調 / Nr.4 "Intermezzo"
アダージョ 夜想曲風の作品。冒頭の、断片的な2つの動機が意義深い。
5.間奏曲 ホ短調 / Nr.5 "Intermezzo"
アンダンテ・コン・グラツィア・エディンティミッシモ・センティメント
和声的な工夫や対位法がみられる。強拍に音をおかないことにより、独特の雰囲気をうみだしている。
6.間奏曲 ホ長調 / Nr.6 "Intermezzo"
アンダンティーノ・テネラメンテ 対位法的部分と、無言歌風の部分からなる。優しい雰囲気をもった曲。
7.奇想曲 ニ短調 / Nr.7 "Capriccio"
アレグロ・アジタート 右手と左手が逆に進行し、印象的である。
シンディング:幻想曲集
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