帝国議会とは? わかりやすく解説

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ていこく‐ぎかい〔‐ギクワイ〕【帝国議会】


帝国議会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/21 08:06 UTC 版)

帝国議会(ていこくぎかい、旧字体: 帝󠄁國議會英語: The Imperial Diet)は、1890年明治23年)の帝国憲法により設置された日本議会である[1]。公選の衆議院 (しゅうぎいん)(下院)と非公選の貴族院 (きぞくいん)(上院)から構成された[4]。「議会」もしくは「国会」と略称された[1]


注釈

  1. ^ もっとも、政府や軍部側も国民や敵国に対して「挙国一致」の体裁をみせなければならなかったために、議員たちにも政府役職の一部を配分し、戦争遂行に直接関係しない分野では議会の立場に配慮するなどの一定の譲歩がなされはしたが、それがために、その利益を受けた議会指導者や主流派は積極的に翼賛議会確立に努め、政府や軍部の方針に批判的な一部議員は議会内部からも圧力を受けた。
  2. ^ ただし、伯爵以下の議員については7年に1度互選が行われて、その代表が議員となることになっていた。
  3. ^ 満30歳以上の男子で、貴族院令第1条で「国家ニ勲労アリ又ハ学識アル者ヨリ特ニ勅任セラレタル者」から定員は125名以内で、勅選された。終身議員。
  4. ^ 満30歳以上の男子で、直接国税納税額の多い者を任期は7年で互選。
  5. ^ 貴族院令の第4次改正(第50回帝国議会)で設けられた。帝国学士院の会員で満30歳以上の男子の中から4名を、互選で選出する。任期は7年である。
  6. ^ 貴族院令の第5次改正(第86回帝国議会)で朝鮮及び台湾住民の政治的処遇を改善するため、朝鮮及び台湾に在住する満30歳以上の男子で名望あるもの10人以内を勅選で、任期は7年。敗戦に伴い、第6次改正(第90回帝国議会) で廃止された。
  7. ^ 1891年(明治24)2月20日、天野若円(大成会)が提出した、「衆議院が大日本帝国憲法第67条関連の予算削減を審議する際には、事前に政府の了解を得る」という決議が衆議院で可決され、政府もこれを了承した。これは一見、帝国議会における予算削減の権限を自主的に制約したようにもみえるが、裏を返せば、予算先議権がある衆議院と政府が合意した予算削減に貴族院がさらに修正を加える余地を奪うもので、衆議院が予算審議における貴族院に対する優越権を、議会慣習の形で事実上確立したものであった。
  8. ^ 議会で成立した議員提案の法律案が天皇の裁可を得られずに成立しなかった例はない。
  9. ^ 5条により、「立法権は天皇にあり、帝国議会は協賛機関に過ぎない」とみるか、「帝国憲法37条により立法に協賛を『要ス』点に着目して、実質的立法機関であった」と見るかで、帝国議会への評価は異なる。前者は翼賛政治体制時に象徴的にみられ、後者は大正デモクラシー期に最も強く現れた。
  10. ^ ただし、緊急勅令は議会の次の会期に承諾を得なければ将来に向かって効力を消失し、非常大権は帝国憲法下では一度も発動されなかった。
  11. ^ 予算の審議は衆議院の先議(65条)であったが決算は政府から両院に提出され、各院は別々に決議し、決議したものは他の院に送付されない。よって、両院の決議が異なることがあった。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i 百瀬孝 1990, p. 36.
  2. ^ a b 百瀬孝 1990, p. 38.
  3. ^ 百瀬孝 1990, p. 40.
  4. ^ a b c d 百瀬孝 1990, p. 37.
  5. ^ 旺文社日本史事典 三訂版『憲政の常道』 - コトバンク
  6. ^ 旺文社日本史事典 三訂版『挙国一致内閣』 - コトバンク
  7. ^ 「帝国議会の運営と会議録をめぐって」大山英久(国立国会図書館調査及び立法考査局調査企画課No.652)2005年(平成17)5月[1]PDF-P.9
  8. ^ 大山英久「帝国議会の運営と会議録をめぐって」[2](『レファレンス』 No.652、2005年5月、国立国会図書館)
  9. ^ a b c d e f 石倉賢一, 「国会会議録について」『大学図書館研究』 1984年 25巻 p.39-44, doi:10.20722/jcul.769、2021年5月19日閲覧。



帝国議会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 14:46 UTC 版)

ドイツ社会民主党」の記事における「帝国議会」の解説

帝政期の帝国議会(Reichstag)における社民党党勢選挙制度小選挙区人口無視して農村比重重くするという保守政党著しく有利になる選挙区割り取っていた。そのため都市労働者基盤とする社民党実際得票率より大幅に少な議席しか取れなかった 選挙権25歳上の男選挙日得得票率得票順位獲得議席議席占有率議席順位1890年2月20日ドイツ語版) 1,427,300票 19.7% 第1党 35 / 397 8.8% 第5党 1893年6月15日ドイツ語版) 1,786,700票 23.3% 第1党 44 / 397 11.1% 第4党 1898年6月16日ドイツ語版) 2,107,100票 27.2% 第1党 56 / 397 14.1% 第2党 1903年6月16日ドイツ語版) 3,010,800票 31.7% 第1党 81 / 397 20.4% 第2党 1907年1月25日ドイツ語版) 3,259,000票 28.9% 第1党 43 / 397 10.8% 第4党 1912年1月12日ドイツ語版) 4,250,400票 34.8% 第1党 110 / 397 27.7% 第1党 出典:Nohlen & Stöver

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帝国議会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/16 09:43 UTC 版)

中央党 (ドイツ)」の記事における「帝国議会」の解説

帝政期の帝国議会(Reichstag)における中央党党勢選挙制度小選挙区人口無視して農村比重重くするという保守政党著しく有利になる選挙区割り取っていた。そのため中央党得票より4分の1多い議席獲得していた 選挙権25歳上の男選挙日得得票率得票順位獲得議席(総議席議席占有率議席順位1871年3月3日ドイツ語版) 724,000票 18.6% 第2党 63議席382議席) 15.7% 第2党 1874年1月10日ドイツ語版) 1,446,000票 27.9% 第2党 91議席397議席) 22.9% 第2党 1877年1月10日ドイツ語版) 1,341,300票 24.8% 第2党 93議席397議席) 23.4% 第2党 1878年7月30日ドイツ語版) 1,328,100票 23.1% 第2党 94議席397議席) 23.7% 第2党 1881年10月27日ドイツ語版) 1,182,900票 23.2% 第1党 100議席397議席) 25.2% 第1党 1884年10月28日ドイツ語版) 1,282,000票 22.6% 第1党 99議席397議席) 24.9% 第1党 1887年2月21日ドイツ語版) 1,516,200票 20.1% 第2党 98議席397議席) 24.7% 第2党 1890年2月20日ドイツ語版) 1,342,100票 18.6% 第2党 106議席397議席) 26.7% 第1党 1893年6月15日ドイツ語版) 1,468,500票 19.1% 第2党 96議席397議席) 24.2% 第1党 1898年6月16日ドイツ語版) 1,455,100票 18.8% 第2党 102議席397議席) 25.7% 第1党 1903年6月16日ドイツ語版) 1,875,300票 19.7% 第2党 100議席397議席) 25.2% 第1党 1907年1月25日ドイツ語版) 2,179,800票 19.4% 第2党 105議席397議席) 26.4% 第1党 1912年1月12日ドイツ語版) 1,996,800票 16.4% 第2党 91議席397議席) 22.9% 第2党 出典:Nohlen & Stöver

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 23:28 UTC 版)

第1回衆議院議員総選挙」の記事における「帝国議会」の解説

第1帝国議会 会期1890年明治23年11月25日 衆議院議長選挙 - 議会で3名候補者選出し上奏天皇がうち1名を勅任する。 第1回投票連記投票投票者数:292過半数147中島信行弥生倶楽部):134津田真道大成会) :111河野広中弥生倶楽部):102楠本正隆無所属) :084票 芳野世経大成会) :081票 松田正久弥生倶楽部):066票 第1回決選投票連記投票投票者数:292過半数147中島信行弥生倶楽部):161津田真道大成会) :151松田正久弥生倶楽部):141楠本正隆無所属) :138河野広中弥生倶楽部):123芳野世経大成会) :101第2回決選投票単記投票投票者数:187過半数144松田正久弥生倶楽部):153楠本正隆無所属) :134選出され中島津田松田の中から最多得票中島議長勅任された。 衆議院副議長選挙 - 議会で3名候補者選出し上奏天皇がうち1名を勅任する。 第1回投票連記投票投票者数:283過半数142津田真道大成会) :169芳野世経大成会) :135楠本正隆無所属) :129松田正久弥生倶楽部):117河野広中弥生倶楽部):113島田三郎議員集会所):060第1回決選投票連記投票投票者数:282過半数142楠本正隆無所属) :174芳野世経大成会) :127河野広中弥生倶楽部):119松田正久弥生倶楽部):118第2回決選投票単記投票投票者数:280過半数141芳野世経大成会) :141河野広中弥生倶楽部):137選出され津田楠本芳野 の中から第1回投票最多得票楠本副議長勅任された。

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帝国議会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 15:42 UTC 版)

ドイツ=ハノーファー党」の記事における「帝国議会」の解説

帝政期の帝国議会(Reichstag)におけるドイツ=ハノーファー党党勢選挙制度小選挙区 選挙権25歳上の男選挙日得得票率獲得議席(総議席議席順位1871年3月3日ドイツ語版52,0001.4% 6議席382議席) 第8党 1874年1月10日ドイツ語版73,0001.4% 4議席397議席) 第9党 1877年1月10日ドイツ語版85,000票 1.6% 4議席397議席) 第101878年7月30日ドイツ語版100,000票 1.7% 10議席397議席) 第8党 1881年10月27日ドイツ語版86,700票 1.7% 10議席397議席) 第101884年10月28日ドイツ語版96,400票 1.7% 11議席397議席) 第9党 1887年2月21日ドイツ語版112,8001.5% 4議席397議席) 第9党 1890年2月20日ドイツ語版112,700票 1.6% 11議席397議席) 第8党 1893年6月15日ドイツ語版101,800票 1.3% 7議席397議席) 第121898年6月16日ドイツ語版105,200票 1.3% 9議席397議席) 第111903年6月16日ドイツ語版94,3001.0% 6議席397議席) 第111907年1月25日ドイツ語版78,200票 0.7% 1議席397議席) 第141912年1月12日ドイツ語版84,600票 0.8% 5議席397議席) 第10出典:Nohlen & Stöver

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帝国議会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 17:51 UTC 版)

神聖ローマ帝国」の記事における「帝国議会」の解説

詳細は「帝国議会 (神聖ローマ帝国)」を参照 帝国議会(Reichstag/Reichsversammlung)は神聖ローマ帝国立法機関であり、その起源皇帝諸侯重要事項諮問する宮廷顧問会議(Hofrat)や大空位時代選挙人集会であり、1356年金印勅書によって成文化された。帝国議会は三つ部会分かれている。 第一部会である選帝侯部会(Kurfürstenrat)は1273年現れローマ王選挙権有する選帝侯によって構成される第二部会の諸侯部会(Fürstenrat)は1480年成立したもので、その他の諸侯帝国伯によって構成される諸侯部会二つの「議席」に分かたれており、一つ世俗諸侯もう一つ聖界諸侯である。高位諸侯個人票を持ちその他の伯や高位聖職者地域別分けられ集合になっている各々集合票は1票扱いである。18世紀半ば時点個人票は100票(俗界諸侯65聖界諸侯35)、集合票は高位聖職者2票、伯4票となっている 第三部会が帝国自由都市の代表によって構成される都市部会(Städtetag)であり、シュヴァーベンライン二つ集合票に別けられる。各々集合票は1票扱いである。帝国議会への自由都市代表の出席中世後期から一般的になっていたが、彼らの出席が公式に確認されたのは1648年ヴェストファーレン条約以降のことである。都市部会は他の部会対等ではなく、この部会キャスティングボートを握ることを防ぐべく、他の二部会の決定下された後に意見求められる形式になっていた。1521年には87都市出席有していたが、都市衰退などの事情により1803年時点では3都市激減している。

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帝国議会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 21:15 UTC 版)

ビスマルク憲法」の記事における「帝国議会」の解説

帝国議会は25歳上の成人男性有する普通選挙によって選出され議員団によって構成され秘密投票保障されていた。

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