宮城長順の空手観とは? わかりやすく解説

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宮城長順の空手観

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 15:44 UTC 版)

宮城長順」の記事における「宮城長順の空手観」の解説

その生涯において、長順三編論文残しているが、その空手観は『剛柔流拳法』(1932)および『唐手道概説』(1934,1936)において比較明瞭である。 まず、唐手の定義としては,寸鉄帯びない徒手空拳武術武道としており、武器用いることもあるが補助的としている。 そして、空手来歴については,前著では剛柔流は「支那拳法福建派」(南派少林拳、南拳)に由来するとしているが経緯など述べられていない。後著においても唐手ルーツ支那であると断言するとともに、ただし福建派に由来するとまで系統がはっきりわかっているのは剛柔流だけであり、そういう意味でも正統名門であるとしている。 以下の長順空手観は、古来秘密主義武技に過ぎなかったものを、より精神性の高い武道へと昇華し本土および世界へ普及させていくために、より公開された、一民族とらわれない普遍的武道にまで高めていかなければならないという主張であり、彼自身その生涯行った普及活動内容とも一致するものとなっている。 従来唐手は、護身術といった側面重き置かれていたため精神性乏しく、「唐手先手なし」といった標語上のものがなかった。また少数弟子選んで秘密裡伝え形態だったため、型が失伝することも多かった。現在これは公開主義改められており、精神面人格陶冶死生観護国といった面か?)においても柔道剣道など日本武道ひけをとらない拳禅一如境地をめざすべきだとする。 また,長順自身ハワイ長期滞在して普及図ったように、日本人越えて海外の人にまで普及させるためには、他武道同様に試合競技化積極的に推し進めるべきだとする。 唐手道将来 隠密の間に伝授されたる唐手術の時代は既に去り、公の間に錬磨すべき唐手道時代来れり。是れに因り、之れを観ざれば斬道の前途愈々遼遠なるもの有りこれを契機として従来琉球称する壺中の天地跼蹐[きょくせき](肩身の狭い思いをすること)し、自ら秘法如く唱へ喧伝したる唐手実相発し天下公開し而してあらゆる武道大家批判と研究仰ぎ、尚お将来に於いては多年懸案たる防具完成期し、他の武術同一程度試合し得る途を拓き、由って以て一般日本武道精神合流せしめん事を吾人痛切に感ずるもの也。 基本的に長順空手観は、同時代柔道家嘉納治五郎柔術から柔道という国際武道スポーツ創始しようとした姿勢共有するものとなっており、当時空手諸派本土へ普及を図る際に、嘉納による斡旋要請があったこと、当初本土空手興味をもつ人に柔道家多かったことなどを考え合わせると、その影響強く受けたものになっているのは当然であろう。 さらに、この8年後に出版された『法剛柔呑吐』(1944においては空手武徳会認められ日本武道の列に伍したことは「御同慶の至り」として祝福しながらも、その表記唐手から空手移ったことについてはオリジナル福建拳法沖縄において「歪曲」されている可能性もあるので、唐の文字用いない方がよいかもしれない誤解招きそうな物言いをしている。長順剛柔流少林拳直系名門流派として誇り中国福建上海三度渡っていることからも分かるように、武技としては少林拳そのものを非常に高く評価していたようである。

※この「宮城長順の空手観」の解説は、「宮城長順」の解説の一部です。
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