名古屋将棋対局場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 09:28 UTC 版)
名古屋市中村区のミッドランドスクエア25階(トヨタ自動車名古屋オフィス内)に所在する。2022年3月16日に設置が発表され、同年6月22日より使用開始となった。 これまで会議や展示会に使用されていた、トヨタ自動車のオフィスフロア内の広さ209.2平方メートルの会議室一室が新たな対局場開設に充てられた。この部屋の半分ほどに高さ30センチメートルの土台を配置し、その上に84.5畳分(85枚)の畳を敷きつめて、対局7局を同時に実施することができる常設対局場を設えた。壁面には高さ2.1メートルの銀屏風5枚を配置し、隣り合う対局の仕切りには木屏風が置かれる。会議室の使用料や光熱費は無償提供の扱いで、畳と屏風などはトヨタ自動車から備品として提供される。対局場の天井には盤面中継用の最新のカメラを設置できる仕様になっている。2022年度の棋戦で名古屋将棋対局場を使うのは順位戦のみを予定し、このうち東海地方を拠点とする棋士の対局と、東西交流対局の一部、合わせて100局の実施を予定している。 A級の全45局中、名古屋対局は8局 (このうち愛知県在住の藤井聡太竜王の対局は6局) B級1組の全78局中、名古屋対局は11局 (このうち三重県在住の澤田真吾七段の対局は10局) B級2組の全130局中、名古屋対局は20局 (このうち名古屋市在住の杉本昌隆八段の対局は8局) C級1組の全165局中、名古屋対局は22局 (東海在住棋士の該当者なし) C級2組の全280局中、名古屋対局は39局 (上のうち三重県在住の石川優太四段、岐阜県在住の高田明浩四段の対局は各7局。直接対決はなし) 名古屋将棋対局場の開設にあたり、日本将棋連盟からトヨタ自動車に相談があり、「将棋文化の普及と中部・東海エリアの地域活性化に貢献できる」と考えたトヨタ自動車が、無償で場所を提供することにしたという経緯がある。 元々、愛知県在住(2022年現在)の藤井の活躍を受け、愛知県知事の大村秀章や名古屋市長の河村たかしなど、名古屋の政財界の一部において「名古屋に将棋会館を」という話が持ち上がっていた。ただ、当時の東海地区には「東海普及連合会」としてマンションの一室に事務所を構えている程度の施設しか無かったこともあり、2018年時点で連盟では具体的な検討は行っていないとしていたが、最終的に公式戦を実施可能な対局場の設置に至った。 対局室がトヨタ社内にあるため、出入りする棋士には顔写真入りのIDカード(入館証)が発行される。名古屋対局の当日に待機する日本将棋連盟職員がIDカードを、来場する各棋士にその場で渡す方式を採用し、IDカード不携帯による不戦を未然に防ぐ対策をとる。 昼食・夕食の食事休憩は、同じ部屋の窓側にパーティションで区切られた休憩スペースが用意されている。食事内容については、東京・大阪の将棋会館では出前を注文するのに対し、新たに設置の名古屋対局場では出前の体制が整わないため当面の間は、将棋連盟が用意する複数種類の弁当を各棋士が選択する方式による。
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