台明寺文書とは? わかりやすく解説

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台明寺文書(百七十八通)

主名称: 台明寺文書(百七十八通)
指定番号 167
枝番 00
指定年月日 1998.06.30(平成10.06.30)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 古文書
ト書
員数 7巻
時代区分 平安安土桃山
年代
検索年代
解説文:  台明寺は鹿児島県国分市台明寺に存在した天台宗古刹で、寺伝によれば天智天皇勅願創建されたといい、青葉竹貢御所として境内生育する竹を蔵人所貢納するようになった伝えられる平安時代には朝廷鎮護国家道場鎌倉時代には関東御祈祷所となり、その間売買寄進などによって寺領拡大し、のちに島津氏支配下にあって繁栄したが、明治初年廃仏毀釈により廃寺となった
 現在、本文書は東京大学史料編纂所所蔵する島津家文書中の、黒漆塗特二番箱に収められた「台明寺文書」二巻、および他家箱台寺文書二番箱に収められた「台明寺文書」五巻からなっている。本文書が島津家文書として伝来する至った経緯については、従来廃仏毀釈に際して収納されたものとみられていたが、元禄十六年(一七〇三)には藩記録所管掌下に入り島津家重書とともに保管されていたことが近年明らかにされた。
 文書は、総点一七八通のうち、平安時代のものが二二通、鎌倉時代のものが約一三〇通と、鎌倉時代以前文書がその大半占める。文書は、綸旨国司庁宣関東下知状や、守護書下などがあり、なかでも青葉笛貢納にかかわる蔵人所下文や、大隅正八幡宮執印行賢の関係文書田地寄進状売券のほか、在庁官人税所氏や守護代安東氏との相論など、当寺変遷伝えるものが少なくない
 文書中、長久二年十一月十二日大国司庁宣案は、案文ではあるが、国司庁宣初見史料として注目されるまた、青葉笛竹の調進について蔵人所召物使と住僧らとのやりとりを示す平治元年一一五九)七月十一日大隅国留守所移をはじめ、応保二年(一一六二)五月十五日台明寺住僧大法師遍覚等解状など、寺領維持奔走していた様子具体的に知られる史料が多い。
 鎌倉時代以降文書のうち、笛竹使の新儀非法停止し在庁官人とともに笛竹調進すべきことを命じた建仁二年(一二〇二)十月日、建仁二年壬十月日の二通蔵人所下文は、現存稀な正文遺例として貴重である。同社対す島津氏格別崇敬うかがえる建仁三年十月十九日島津忠久願文や、守護在庁官人との相論内容伝え仁治元年一二四〇)十月三日大隅台明寺牒案や、文保元年一三一七五月七日大隅守護代安東景綱請文などのほか、公験文書所領ごとに分類した文永元年一二六四十二月廿四日大隅国台明寺文書目録や、南北朝時代造営事業の内容伝え貞治四年十一月鐘楼上葺支配注進状なども含まれていて注目される
 以上のように、本文書は、とくに青葉笛竹の貢納中心に台明寺の変遷にかかわる平安鎌倉時代文書まとまっているのが特徴であり、九州における古代中世社会経済史上に不可欠文書として価値が高い。
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