古語拾遺・先代旧事本紀の記述とは? わかりやすく解説

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古語拾遺・先代旧事本紀の記述

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/20 12:33 UTC 版)

安房神社」の記事における「古語拾遺・先代旧事本紀の記述」の解説

安房神社祭神に関しては、忌部氏(いんべうじ、のち斎部氏の手になる『古語拾遺』(大同2年807年成立)、および『先代旧事本紀』(平安時代初期成立か)に記され阿波忌部の東遷説話知られる。これによれば忌部氏遠祖天富命(あめのとみのみこと/あまのとみのみこと天太玉命の孫)は、各地斎部率いて種々の祭祀具を作っていたが、さらに良い土地求めよう阿波地方現在の徳島県)の斎部率いて東に赴き、そこに麻(アサ)・穀(カジノキ)を植えた。そして、阿波斎部移住したのでその地は「安房郡」と名付けられてこれが安房国国名になったとするほか、同地には祖神祀る太玉命社」が建てられてこれが「安房社」であるとし、その神戸神社付属民戸)には斎部氏があるとする。 即於其地立太玉命社。今謂之安房社。故其神戸。有斎部氏。 — 『古語拾遺このように説話では阿波地方から安房地方忌部斎部)が移住したように記されるが、安房神社由緒でもこれを踏襲し安房神社神職かつては安房忌部正統称する岡島氏が担っていた。加えて延喜式神名帳記される安房神社」という社名についても、忌部氏本貫地鎮座する天太玉命神社奈良県橿原市)と区別する意味の「安房天太玉命神社」を省略したものとする説が挙げられている。また「大神宮」という旧称と、豊受大神宮伊勢神宮外宮)の相殿天太玉命祀られることとを関連付ける説もある。安房地方では、安房神社のほかにも洲崎神社館山市洲崎)、洲宮神社館山市洲宮)、布良崎神社館山市布良)、下立松原神社南房総市白浜町南房総市千倉町の2社)などで同様の忌部氏による開拓伝承が残ることも知られる。 以上の一方古代史料では安房郡司・安房神社神職など安房地方在地関連人物忌部存在知られず、むしろ安房地方濃密分布したのは後述する膳大伴部(かしわでおおともべ)であったことが知られる。そのため『古語拾遺』の説話史実性否定向き強く、『古語拾遺自体中臣氏との勢力争いの中で忌部氏正統性格差是正目的編纂されたものであるため、安房への東遷説話造作東国(特に常総地方)の中臣氏勢力対抗する目的があったと指摘する説がある。また、数少ない安房関係人物として天平2年730年)の「安房国義倉帳」に安房国司の目と見える忌部宿禰登理万里忌部鳥麻呂か:中央から赴任した可能性が高い)の存在から関連づけたと推測する説や、安房神社祭祀神戸忌部氏関与仮定すればこれに阿波忌部が結びつけられたと推測する説、そのほか古くから黒潮通じて人々交流があったこと(黒潮文化圏)が説話成立の背景にあると見る説などもある。

※この「古語拾遺・先代旧事本紀の記述」の解説は、「安房神社」の解説の一部です。
「古語拾遺・先代旧事本紀の記述」を含む「安房神社」の記事については、「安房神社」の概要を参照ください。

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