始原系
反応生成物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/12 04:36 UTC 版)
この系列の反応は二つの相互作用する炭素核が一体化し、励起状態のマグネシウム24を構成し、その後上の5通りのうち一つの方法で崩壊すると考えることが出来る。 。 最初の二つの反応は、反応式の大きな正のエネルギーの項が指し示すように、強い発熱反応でありこれらの反応のうち最も頻繁に起こる。三番目の反応は熱を放出せず吸収することを示す負のエネルギーの項で指し示されているように強い吸熱反応である。このため、この反応は、炭素燃焼の高エネルギー環境下で起き得るが、非常に起きにくい。しかしこの反応による少量の中性子の生産は多くの星で少量存在している重い核と結合して(s過程)さらに重い同位元素を形成することができるため重要である。 4番目の反応は大きいエネルギーの放出から最も起きやすいと予想されるかもしれないが、極度に期待値は少ない。なぜなら、この反応がガンマ線の光子を生成するため、この起因となるのは電磁力であり、最初の二つの反応に使われるような核の間で使われる強い力ではない。核子どうしの相互作用はこの反応エネルギーの光子との相互作用に比べずっと大きい。しかしながら、4番目の反応で生成されたマグネシウム24は、マグネシウム23が放射性であるため、炭素燃焼過程の後に残る酸素-ネオン-マグネシウム型白色矮星において存在するマグネシウムとなる。 最後の反応もこれまでのものと比べ、吸熱反応であることに加え、反応に3つの反応生成物がかかわるため非常に起きにくい。 逆反応を考えると、3つの生成物すべてが同時に同じ場所に集中する必要があるため、これは2体の相互作用よりも可能性が少ない。 陽子はpp連鎖反応やCNOサイクルに組み込まれることがあり得るが、陽子はまた、ナトリウム23に捕獲されてネオン20とヘリウム4を生成する事が起き得る。事実、二番目の反応で生成されたナトリウム23のほとんどすべてはこの反応で使い切られる。 質量4 - 8太陽質量の恒星では、恒星進化における前の段階であるヘリウム燃焼で作られた酸素は、いくらかヘリウム4による捕獲などに使われるが相当十分が炭素燃焼過程を生き残る。 そのため炭素燃焼の終了した結果、主に酸素、ネオン、マグネシウムの混合物が残ることになる。 二つの炭素核の質量エネルギーの合計は励起状態のマグネシウム核のそれに近似するという事実は「共鳴」として知られている。この共鳴がない場合、炭素燃焼は100倍近い温度でしか起こらない。このような「共鳴」の実験的、論理的研究はいまだに研究課題である。
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