可逆反応
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可逆反応
可逆反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/21 07:19 UTC 版)
前節で示した反応速度式はすべて生成物から反応物に戻る反応 (逆反応) を無視している。しかし多くの反応はある程度可逆的であり、逆反応も考慮しなくてはならない。特に反応が平衡に近づいた時は系の中に反応物が大量に存在しているので、逆反応が無視できなくなる。 AからBが生成する反応で、正反応と逆反応の両方が1次のとき、次のような反応様式となる。 A→B 反応速度 = k1[A] B→A 反応速度 = k-1[B] 正反応によってAの濃度[A]がk1[A]の速度で減少し、逆反応によってk-1[B]の速度で増加する。したがって[A]の正味の変化速度は d [ A ] d t = − k 1 [ A ] + k − 1 [ B ] {\displaystyle {\frac {\mathrm {d} [\mathrm {A} ]}{\mathrm {d} t}}=-k_{1}[\mathrm {A} ]+k_{-1}[\mathrm {B} ]} である。t →∞で反応が平衡状態になるとAの正味の濃度変化は無くなるので、 d [ A ] e q d t = 0 {\displaystyle {\frac {\mathrm {d} [\mathrm {A} ]_{eq}}{\mathrm {d} t}}=0} であり k 1 [ A ] e q = k − 1 [ B ] e q {\displaystyle k_{1}[\mathrm {A} ]_{eq}=k_{-1}[\mathrm {B} ]_{eq}} となる。[A]eqは平衡状態でのAの濃度、[B]eqは平衡状態でのBの濃度である。この式から [ B ] e q [ A ] e q = k 1 k − 1 = K {\displaystyle {\frac {[\mathrm {B} ]_{eq}}{[\mathrm {A} ]_{eq}}}={\frac {k_{1}}{k_{-1}}}=K} を導くことができ、このK を平衡定数と呼ぶ。この式は熱力学的な量である平衡定数と反応速度に関わる量である速度定数の関係を表す重要な式である。平衡定数と片方の速度定数が明らかであれば、計算によりもう片方の速度定数を求めることができる。
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