北太平洋漁業委員会参加国および地域の漁業
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「サンマ」の記事における「北太平洋漁業委員会参加国および地域の漁業」の解説
北太平洋の水産資源を管理・保護するために、日本は北太平洋漁業委員会に加盟している。2016年の北太平洋漁業委員会参加国および地域の漁獲量は以下の通り。 順位国上場水揚量(t)1 台湾 145,531 2 日本 114,222 3 中国 63,016 4 韓国 16,828 5 ロシア 14,623 合計 354,220 北太平洋漁業委員会参加国におけるサンマの漁獲量について、日本以外の国の漁獲が占める割合が増えている。サンマの資源量の減少もあって、2015年以降の日本のサンマの漁獲は激減している。 サンマは太平洋全域に生息するが、日本は主に排他的経済水域内で漁獲し、公海上では少ない(日本の2013年の漁獲量約15万7千トンのうち、公海で取ったのは約8千トン)。一方、2010年代前半から 日本の排他的経済水域の外側公海でサンマ漁をする海外の船の急増が見られ、漁獲の大半は北太平洋の公海で、サンマの群れが日本付近に来遊する前に先取りする。中国、台湾、韓国の漁船は多いときには1つの漁場に50 - 60隻が集まり、日本では見られない1,000トン級の大型船も用いられている。北太平洋漁業委員会参加国・地域のうちで最大の漁獲量を上げているのが台湾で、2013年には日本の漁獲量を上回り、豊漁だった2014年には台湾の漁獲量はおよそ23万トンに達している。2013年よりサンマ漁を開始した中国も、2010年代後半には日本の漁獲量の半分を超える規模となっている。 日本ではサンマ漁船の大きさは200トン未満に制限されており、20トン未満の小型漁船も多いため、公海での遠洋漁業には向かない。日本の漁船が漁獲したサンマは氷蔵され漁港に運ばれ、加工などは漁港で行う。公海で漁獲したサンマも日本の漁港に持ち帰るか、ロシア船に洋上販売する。一方、台湾の大型漁船は公海上で冷凍・加工まで行う。総トン数およそ1,000トンという日本の一般的なサンマ漁船の50倍の大きさの船が台湾全体で90隻以上あるという。 サンマの漁獲量の減少もあり、日本では2019年より法令が改正され、サンマ漁の漁期が撤廃されてサンマ漁の通年操業が可能となった。もともと、ロシアが2016年にロシアの200海里内における日本漁船のサケ・マス流網漁を禁止したことへの代替漁業として、2016年より国の補助を得て北太平洋公海においてサンマ漁を行う「公海さんま」事業が試験的に行われていたが、サンマ漁の通年操業が解禁されたことを受けて2019年より公海さんま事業が本格的にスタートした。ただし、全国さんま棒受網漁業協同組合は北太平洋公海における漁期を5月1日から7月20日までに自主規制を行っている。日本近海のサンマはTAC制度(漁獲可能量制度)に従って水産庁により資源量が調査され、日本近海における漁獲量は管理されている。そのため、日本が北太平洋公海において通年操業を行ってもサンマの資源量には影響しないと水産庁は評価している。 令和3年2月23〜25日に行われた北太平洋漁業委員(NPFC)第6回年次会合で、日本から提案し議論により、サンマの分布域全体の総漁獲可能量を33万3,750トン(現行55万6,250トン)とし、NPFC条約水域(公海)の漁獲枠(TAC)は19万8千トン(現行33万トン)(日ロ両国は200海里水域内の漁獲量を13万5,750トン以内に抑えることで上記措置に協力)、この規定は2021年及び2022年の2年間に適用することで合意した。
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