代表的な表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/29 14:04 UTC 版)
男性は「や」、女性は「ね」を語尾に付けることが多い。「がいや、がいね」「わいや、わいね」「ぞいや、ぞいね」など。 準体助詞の「の」が「が」になる。石川県から新潟県にかけての方言の特徴で、土佐弁とも共通する。 (例)ほんなががいいがけ?=そんなのがいいのか? 〜しまっし=〜しなさい 金沢弁の代表ともいえる接尾語で、柔らかな命令を表す。尊敬の助動詞「まさる」の命令形「まされ」が音便化したもの。「まさる」は高齢層でしか聞かれなくなったが、「まっし」には共通語の命令表現に置き換えられないニュアンスがあるため、若い世代でも比較的使われ続けている。五段活用動詞では連体形、それ以外では連用形に接続するが、戦後になって共通語の「連用形+なさい」の影響から五段活用動詞でも「連用形+まっし」に一本化されつつある(例:頑張るまっし・頑張んまっし→頑張りまっし、行くまっし→行きまっし)。年配世代では「頑張りまっし」のような表現は誤った金沢弁だと考える人もいる。「しまっし(い)ね」「しまっしま」などと語尾が変化することがあり、後者ほど強い言い方。 くだけた命令表現には「〜しね」「〜しねま」「〜し」「〜しーま」「〜しーや」などが使われる。よって「早くしなさいね」は「早く死ね」と同音の「はよしね」となるが、実際には「死ね」という音を避けて「はよせんかいね」と言う方が多い。(例)起きなさい=起きまっし、起きね、起きねま、起き、起きーま、起きーや がや、がね=だよ、のだ 「能登べっちゃに加賀がやがや」と言われる、金沢を含む加賀地方の方言の特徴的な終助詞。中年以下ではくだけて「がんや」「がん」「げー」などとも言い、さらに「げー」から転じた「げん」が若い世代を中心に多用されている(新方言)。「げん」は金沢以外では小松市などでも多用される。「がん」や「げん」は前の音と融合することがある。「するがん→すらん、するげん→すれん」「行くがん→行かん、行くげん→行けん」「食べたげん→食べてん」「好きなげん→好きねん」など。 (例)「食べとるがや、食べとるがね、食べとるげん、食べとれん」=「食べてるよ、食べてるんだ」、「しとるがやろ、しとるげんろ、しとれんろ」=「してるんだろ」、「食べとるげんわいやダラ!」=「食べてるってんだよバカ!」 じー、うぇー 強調を表す金沢独特の終助詞。「じー」は意外な気持ちや驚きの気持ちなどを表し、「うぇー」は得意げな気持ちを表す。「じー」は若者の間でも根強く使われるが、「うぇー」は語感の悪さから徐々に衰退しつつある。「じー」は「ぜ」の変形、「うぇー」は「わい」か「え」の変形であるとされる。 (例)いいネクタイしとるじー(いいネクタイしてるねえ)、いいネクタイしとるうぇー(いいネクタイしてるでしょ) やよ 金沢弁の断定の助動詞は近畿方言と同じ「や」であるが、主に若い女性の間で、語尾に「よ」を加えて柔らかさを出すことがある。 け?=かい? 疑問の終助詞。「か」よりも親しみや優しさが込められた表現で、男女とも多用する。「しとっけ?(=しているかい?)」や「してくれっけ?(=してくれるかい?)」のように「け」の前は促音化しやすい。京都市や大阪市など近畿地方の一部では「け」を男性的で荒っぽい表現とするため、金沢出身者と近畿地方出身者が話をする際に「け」で誤解を生むことがある。 あそばせ 花街の接客言葉では「お上がりあそばせ」「いらしておいであそばせ」のような「あそばせ言葉」が多用される。京都の公家言葉を取り入れたもので、伝統的な「金沢言葉」の代表的な表現。「おいであそばせ」は「おいだすばせ」とも発音される。
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代表的な表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 04:14 UTC 版)
ごきげんよう出会った時や別れの時に相手の健康状態を伺う意味合いを込めて交わされる。21世紀の現在でも、学習院や跡見など一部の私立校では生徒同士の挨拶として日常的に使用されている。 ざ(あ)ます山の手(麹町、番町)に住む婦人などの間で広まった丁寧語。彼女らのような有閑夫人のもったいぶった話しぶりを嘲って「ざあます言葉」とも呼ぶ。「…でございます」を早口に言った「…でござあます」がさらに縮まったもの。江戸時代には吉原で「廓言葉」の一つとして遊女が使い、『閑情末摘花』に「何ざますへ」「早うざますはね」などの用法が見える。「ざんす」は「丁子屋」という遊女屋特有のものである。現在では金持ちや成金、上品ぶった人、あるいはいわゆる「教育ママ」などを表す役割語として使われることがある。 あそばす「遊ぶ」の未然形に尊敬の助動詞「す」が接続して成立した尊敬語。「ざます」と同様に「あそばせ言葉」(「あそばせ」は「あそばす」の命令形)とも呼ばれる。「おいであそばせ」(=いらっしゃい)「ごめんあそばせ」(=失礼しました・します)のように、多くは「お…あそばす」「ご…あそばす」の形で用いられる。 形容詞の丁寧語は「痛うございます」「危のうございます」のように「ウ音便連用形+ございます」が用いられる。
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