中国の小説とは? わかりやすく解説

中国の小説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 08:41 UTC 版)

小説」の記事における「中国の小説」の解説

小説家 (諸子百家)」も参照 中国前近代においては、「小説」という用語が使われ始めたのは、目録上でのことだった(『漢書』芸文志」)。しかも、それは、文学・芸術的な用語として生まれたのではなかった。「芸文志」には「街談巷語道聴・塗説する者が造る所なり」「諸子十家、その観るべきもの、ただ九家のみ」という記述がある。街巷で語られた話や道端聞いた言ったりしている者が作り上げたのが小説であるとされ、九流諸子とは異なり、一ランク下のものと考えられていたことが分かる遡って、『荘子』「外物篇」には「小説飾り以て縣令を干むるは、其の大達に於いて亦た遠し」とある。直訳すれば、取るに足りない言説県令になることを求めるのは、その目標から遠い、となる。ここで言わんとすることは、手段方法合わせることで目的到達することが出来ということである。 後漢になると、桓譚は、その著の『新論中において、小説対す議論展開しているが、ここには大きな変化見られる。つまり「かの小説家は残叢の小語合し近く譬喩取り以て短書を作り、治身理家に、観るべきの辞あり」と述べられているのである。ここで用いられている小説は、後代小説と、似通った意味合い用いられる。但し桓譚用いている「短書」とは、なお軽慢の意があることは免れない中国唯一の小説家皇帝曹丕のような例外はあるものの、古代中国での小説は以上のように上流階級から蔑まれるであった。しかし、これ以降時代には主に民衆から支持を得る形で小説人気得ていく。 六朝時代小説は、内容的に神異的になり、志怪小説呼ばれた唐代伝奇小説に至ると「奇」が勝ちをおさめた魯迅が『中国小説史略』の中で指摘しているように、詩と同様に唐代一変し、なお怪異求める風は存したが、その文学性格段に洗練された。つまり、唐代の「伝奇」は、従来のように怪異叙述しながら、人事機微までをも描き得ており、それは、前代の「志怪」の描ききれていないところであったのである代表的なのは、『枕中記』や『霍小玉伝』である。また唐代には、通俗小説出現し後世文学多大な影響与えた宋代には、庶民社会生活描写した話本」が出現し、『碾玉観音』や『錯斬崔寧』などの代表作作られた。宋代話本特色白話小説呼ばれ白話口語)を用いて描写される点にある。よって、唐代伝奇比べて更に通俗的となった元曲著しく発展した元代は、伊藤漱平によれば小説に於いては不作時代だったが、唐・宋伝奇末流として、元初という小説不作時代開いた浪花あだばな)ともいえる『嬌紅記(中国語版)』があるが、字数唐・宋代のものより多いため小説長編化途上作品とされる明代以後小説発展成熟期迎えた唐代伝奇宋代話本伝統継承し創作題材においては歴史怪異英雄世情論ずことなく、すべてを網羅するようになった明代通俗小説は、長編短編の二大潮流に分かれることとなる。長編小説は「四大奇書」を代表とする。短編小説は、馮夢龍凌濛初中国語版編纂の「三言二拍」を代表とする。 清代小説では、「紅楼夢」という中国長編小説一大傑作生まれた

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