不完全菌類 [Imperfect fungi,Deuteromycetes]
不完全菌類には種々の腐生菌や発酵菌も含まれているが、中にはヒトをはじめ動植物の病原菌もある。アルコール発酵に重要なアスペルギルス属(クロカビやコウジカビ)、ブドウに寄生して貴腐ワインのもとになるボトリティス属、ペニシリンをはじめいくつかの抗生物質を産生するペニシリウム属(アオカビ)、ヒトのカンジダ症菌や魚類の胃鼓腸症菌もあるカンジダ属、ヒトの白癬菌も含まれるトリコフィトン属、クルマエビのフサリウム症菌や植物の病原菌も含まれるフサリウム属などは不完全菌類である。
不完全菌
(不完全菌類 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/14 00:17 UTC 版)
不完全菌(ふかんぜんきん、fungi imperfecti)とは、子のう菌・担子菌の仲間ではあるものの、有性生殖を営むステージが未発見であるため分類学的な位置が不詳である状態のもの及びその集合に対する呼称である。呼称の由来は、菌類の生活環において有性生殖を行わず無性生殖のみを行うステージである不完全世代(アナモルフ)のみが発見され、有性生殖も行うステージである完全世代(テレオモルフ)が不明であることによる。身近に見ることのできるカビの大部分は不完全世代の状態であり、しばしば不完全菌が含まれる。
不完全菌類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 09:03 UTC 版)
このほか、重要な菌類の群として、不完全菌類 (Deuteromycetes, Imperfect fungi, Fungi imperfecti) と呼ばれるグループが存在する。これらは無性生殖だけで繁殖しているように見える子嚢菌(しのうきん)または担子菌(たんしきん)である。体細胞分裂によって形成される分生子(ぶんせいし)と呼ばれる胞子により、あるいは胞子を作らずに菌糸の栄養成長のみによって、または酵母として増殖する。不完全菌類はその分生子形成様式などによって便宜的に学名が与えられているが、完全世代(有性生殖を行う世代)が発見・命名されればその学名がその生物の正式な名として使用される。不完全菌類としては同じ属に分類されていたものが、完全世代では別の属に分類されることもあり、不完全菌類としての分類はあくまで暫定的なものである。しかし、たとえばアオカビやコウジカビなど身近に見られるカビのほとんどはこれであり、また植物病原菌など実用上重要なものが多く含まれている。 なお、不完全菌の名は、かつては正式に分類群の名としても用いられたが、現在では次第に使わない方向に向かっており、代わりにアナモルフ菌 (Anamorphic fungi) や分生子形成菌 (Mitosporic fungi) などの名が使われる。
※この「不完全菌類」の解説は、「菌類」の解説の一部です。
「不完全菌類」を含む「菌類」の記事については、「菌類」の概要を参照ください。
「不完全菌類」の例文・使い方・用例・文例
- 表在性で分生子殻に包まれていない分生子柄を持つ、分生子柄のない不完全菌類の目
- モニリア属の酵母のような不完全菌類の総称
- 酵母のような不完全菌類の属
- カンジダ属の酵母のような不完全菌類
- 胞子と分生子柄に色素が欠けている不完全菌類の形態属
- 黒色の菌糸と分生子柄を持つ不完全菌類
- 細長い胞子を持つ葉に寄生する不完全菌類
- 主に腐生の不完全菌類の科
- 胞子期が分かっていない、不完全菌類の目
- 現在、いくつかの種はペリキュラリア属とコーティシウム属に置かれている不完全菌類、というのも完全な段階が見つけられたから
- 不完全菌類を構成する
- 発芽しない不完全菌類
不完全菌類と同じ種類の言葉
- 不完全菌類のページへのリンク